高嶺が雨宿りする話怪異の捜査中、急に雨が降ってきた。高久は永嶺を抱き上げて神社へと入る。
「しばらくここで雨宿りをさせてもらいましょう」
「そうだな。……もう降ろせ」
「あ、そうでした」
高久が抱えていた永嶺の身体を下ろす。
永嶺は高久から離れ、ふいと横を向いた。しかし顔が赤い。
「永嶺様?どうかなさいましたか?」
「いや……なんでもない」
高久が心配そうに尋ねると、永嶺はそっぽを向きながらそう返した。
「……もしかして、照れていらっしゃいますか?」
「なっ……! 何を馬鹿なことを……!」
図星をつかれた永嶺は反論しようとしたが、うまく声を出すことができなかった。
「すみません、少し調子に乗ってしまいました」
高久は申し訳なさそうに謝った。
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