十条要の悪夢のような現実、あるいは死後の世界。7-1
悪夢、あるいは死後の世界。
またはその現在、現実。
ぼくが舞台に立っていた。
大きなステージの上に凛としてひとり立っている。その出で立ちは圧倒的にキレイだった。存在感があった。
つま先から足の指先まで、頭のてっぺんから足のさきまで全身に気を配り、ぴんと糸を張った美しいアイドル。
優雅で、大胆。
セクシーで、洗練された、かっこいい姿。
目の前のHiMERUはぼくがずっと見たかったHiMERUだった。
目の前のHiMERUはぼくがずっと望んでいたHiMERUだった。
レッスン通りにこなせる、寧ろそれ以上のパフォーマンスでファンを沸かす最高のアイドル。
ぼくの考えた最強のHiMERU。設計図に書き込んだ、空想理想のあるべき姿。
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