あけまして。(コラロ/現パロ同棲)年が越して20分ほど経った頃、スマートフォンを見るとペンギンから着信が入っていた。
『ローさん、明けましておめでとうございます』
「ああ、今年もよろしく」
恒例の挨拶と他愛のない話をしながら読みかけの本に栞を挟む。電話口の向こうで騒がしい声がする。シャチ達と一緒に居るのだろう、アルコールが入っているのか平時の倍かしましい気がする…あいつららしくはあるが。
『近所の神社に甘酒をもらいに行こうかって話してたところなんです。ローさんもどうですか?コラさんも一緒に。』
そういえば夕飯を済ませてからずっと部屋に篭りきりだった。そろそろ外の空気を吸いに行くのもいいかもしれない。しかし…
「…悪いな。コラさん寝ちまってるし、おれも動けない」
床暖房のあたたかさで猫のように落ちていたコラさんの頭が、いつの間にかおれの膝の上に乗っていた。こんなデカい猫に乗られてたんじゃ身動きが取れない。
『あはは、それじゃ仕方ない。明日にでもみんなで初詣行きましょう、あとでメッセージ入れときます』
「ああ」
通話を切りスマートフォンを側のテーブルに置く。騒ぐと近所迷惑だとか風邪予防に防寒しろだとか、言ってやりたい事はあったが…まあいいか。膝の上で寝息を立てる恋人の頭を撫でながら、再び本を開いた。