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    ろあ。

    HRH作品投稿場所。BLと単体絵。
    推し:ディノ、ビリー
    現状創作するかぷ:グレビリ/ビリグレ
    R15程度のものは全てワンクッションおきます。
    絵柄は安定しません。
    作者はHRH🔰です。メインストは配信分読了済み。

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    ろあ。

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    グレビリDW参加作品お題「マフラー」
    画像では見づらい人用。

    グレビリDW参加作品お題「マフラー」 寒空の下、彼は何をするでもなくじっと空を見上げていた。
     これといった用事がないのか誰かを待っているのか。手持ち無沙汰であるようだがその表情はどこか楽しそうでもある。
     鞄も何も持たずに、身一つでそこにいるように見えた彼は、スマホを取り出し時間を確認するとベンチから立ち上がりそのまま何処かへと歩き始める。

     足取り軽く移動すると、大通りへと出た。まっすぐと続くその道の向こうには、エリオスタワーが見えていて、陽が落ち始め空は夕暮れに染まっている。少し前までまだ明るかったが、冬の空模様はあっという間だ。
     彼は道の先を覗くように歩いていて、途中からは小走りで脇目も振らずに駆けていく。

     ——どん、と誰かに当たった。というよりは体当たりのような勢いそのまま、その人物へと腕を巻きつけ、顔を上げた。
    「グレイっ」
    「び、びビリーくん……!」
     グレイと呼ばれた人物は、自分へと抱き着いて離れない彼をビリーと呼び、どうすればいいのか分からずに、慌てたような素振りを見せている。
     そうして腕を離したビリーと呼ばれた彼は「待った?」と首を傾げた。

    「う、ううん。さっき着いた所だよ。むしろ遅れそうになって急いで来た所だったり……」
    「あれ、パトロール、時間掛かったの?」
    「ちょっと、ね」
    「そっか〜、でも間に合って良かった!」
     そう笑ったビリーをじっと見ていたグレイは、徐に巻いていたマフラーを外し彼の首元へふわりと巻く。ぽんと軽くマフラーを正すと「寒かったでしょ」と目を細めた。

    「ビリーくん、またマフラー忘れてきちゃったんだね」
    「ごめんグレイ、ありがと。俺っちあんまりマフラーを巻く習慣なくって。あ! 貰ったのが気に入らないとか、そういうことじゃないんだヨ?」
    「あ、うん。それは気にしてないよ。ビリーくんいつも身軽なのは知ってるから——」
     ビリーが巻かれたマフラーに手を置きながら隠した口元。その違和感に気付いたグレイは、巻いたばかりだというのに腕を伸ばし外そうとする。

    「ちょ、ちょっとグレイ、なんで外そうと——」
    「ごめん、もしかして臭った? そうだよね冬でも汗はかくしもしかしてさっき走ってきたときの汗の匂いが染みちゃって臭かったのかなって……」
    「わ、ちょ、と待ってグレイ! 俺っちこれがいいの!」
    「——え、」
     早口にそう捲し立てながら外していくグレイ。マフラーが首にかけているだけの状態になって気付いたのは、ビリーの頬が赤く染まっていることだった。それは寒さとかではなく、恥ずかしさでだ。
     それと同時に聞こえた『これが良い』という発言にも、グレイは思考が停止した。
     その言葉に必死さと羞恥の感情が混ざっていて、益々考えがまとまらない。
     止まってしまった彼が掴んでいるマフラーの端を手から外すと、自分で巻き直したビリーは、口元を隠しながら「聞かなかったことにして」と小さく言葉にした。
     今度は耳まで赤いようにも見えて、グレイはくすりと笑う。

    「あ、笑った」
    「ご、ごごめんね? あの、その……ビリーくんがあまりに可愛いことを言うものだからつい」
    「そう言うと思ったヨ!」
    「僕の自惚れだったら嫌だけど、もしかして、」
    「あーー! 時間! 折角予約してたお店に行けなくなっちゃうよ早くグレイ!」
    「わ、わわ……!」
     腕を引っ張り早歩きで前を歩くビリーに、グレイは今一度くすりと笑う。それには何も返してこない彼の背中を見ながら、心が暖かくなるのを感じた。
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    れんこん

    DONE8章を経てのラブラブグレビリです……最近、グレイからの視線を特に感じる。
    ちらり、ちらりと伺うような目線。
    そして、その目線に気付いている自分も明確に彼の事を意識している。
    どき、どき、とほんの少しだけ高鳴るのは、その視線が明らかに熱を帯びているから。

     ほんの少し前、なんでもない晴天の日。ただキミと馴染みのイーストセクターの海辺を散歩して、彼の相棒とも散々戯れて。沢山笑って、お喋りをして。少しだけはしゃぎ疲れて、少しだけ背の高い「ともだち」の肩に頭を乗せる。長めの襟足が頬に触れて、ほんの少しくすぐったい。
     空の色がきれいなオレンジと、紺を孕む時間になった頃、ぽつりと隣から漏れ出た音に、しんぞうがきゅ、と鳴った。

    「……すき、だなぁ…。」

     たった一言のその言葉。それも伝えるのを意図としないような溢れ出た言葉。
    元々真実しか語れないその小さめの口は、今はその発してしまった言葉を体内に戻しでもするかのように、大きめの手で塞がれていた。
     顔は、真っ赤。
    はわ、はわ、と空気が抜けるみたいな音が漏れ出て、グレイは突然ごめん!なんて言って、オイラがもたれかかっているのに離れようとする。
     ……そんなの、逃すはずないで 5634