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    a_l_maru

    ロナドラもドラロナも好きな20↑
    ハチャメチャ雑食。
    でもこの世でいちばんかわいいのは〇

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    a_l_maru

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    今後のお引越しも考えつつお試し。(支部と同じもの)
    〇視点でロナドラ風味。
    小説使い易いとこってどこだろ。

    #にっぴき
    #ロナドラ
    Rona x Dra

    本当はすっごく仲良しなの知ってるよ?ドラルク様とロナルド君が喧嘩をしてしまった。
    喧嘩はもちろん初めてじゃないんだけれど、今日はなんだかいつもと違う。
    ドラルク様はロナルド君のご飯だけ作らない。
    ロナルド君はお部屋の方に帰ってこない。
    これじゃ仲直りできないヌ。

    心配だよってドラルク様に伝えても
    「ジョンは優しいね、でも今回ばかりはあの若造が泣きながら謝るまで許す気ないから」
    って言われちゃった。

    心配だよってロナルド君に伝えても
    「ジョンはほんっとに優しいなぁ、でもドラ公が謝るまで許す気ねーんだ。ごめんな?」
    って言われちゃった。

    喧嘩してても同じこと言うくらい仲良いのに、どうして素直になれないんだろ。
    ジョンはふたりと仲良くおやつが食べたいのに……。

    このままだといつまでも仲直りできなさそうだから、ドラルク様におやつをおねだりしてみた。

    「ヌン、ヌーヌヌヌヌヌイヌ(ジョン、ドーナツ食べたいな)」
    「こんな時間に?」

    ドラルク様は時計を見ながら悩んでる。

    「んー、ご飯前だけど……ジョンには迷惑かけてるから特別だよ?でも少しだけだからね」

    そう言うとドラルク様はエプロンをつけてキッチンに向かってくれたので、ジョンはその間に事務所の方に行って、いつもヒナイチちゃんが出てくる床を叩いた。

    ぺちぺちぺち

    「どうしたっ!?」

    叩くとすぐに床からニョキっとヒナイチちゃんが生えてきた。
    でもヒナイチちゃんはジョンの言葉が分からないから、一生懸命手を振りながら気持ちを伝える。

    「ヌン、ヌヌヌヌヌヌヌヌヌ、ヌヌヌヌヌヌヌヌヌイヌイヌ
    (ジョン、ドラルク様たちに、仲直りしてもらいたいの)」
    「ふむふむ?……すまない、悩んでそうなのは分かるんだが肝心の部分がよく分からなくてな」
    「ヌー……」

    申し訳なさそうにするヒナイチちゃん。
    こんな時ジョンがみんなと同じ言葉をおしゃべり出来たらすごくいいのになって思っちゃう。
    伝わらないのはすごく残念だけど、やっぱりここはジョンが頑張るしかないヌ!
    ヒナイチちゃんに「ありがとう」のお辞儀をすると、柔らかくて小さな手がジョンの頭を撫でてくれた。
    その手にお鼻でちゅっとするとドラルク様の元に戻る。

    くんくんっ

    ジューって音と一緒にすごく美味しそうな匂いがする。
    思わずよだれが出ちゃいそう。
    早くドーナツたべた……
    ハッ!違ったヌ、ドーナツはあくまでも2人の仲直り作戦のためで……ただのおやつじゃないのに。
    でも、ドラルク様のドーナツ大好き……ハッ。

    誘惑に負けてドラルク様の足元をうろついてると
    「そこにいると危ないからこっちにおいで」
    と抱っこしてキッチンの上に乗せてもらえた。
    甘い甘い匂い。
    ドラルク様も少し機嫌が治ったのか、お歌?を歌ってる。
    (なんの曲なのかは全然分からないけど)

    「はいジョン、味見」

    ジョンのお口がいっぱいになるくらいの大きさのドーナツ。
    もう我慢できなかったからニコニコしながら両手で受け取る。

    「ヌヌヌヌ(ありがと)」

    お口を大きく開けて食べると、ジョンが1番大好きな味がした。
    ヌッシャヌッシャと喜びながら食べてると
    「ほら、ほっぺについてるよ。ゆっくり噛んで食べなさい」
    ひんやりして細くて長い指がほっぺたをこしょこしょする。
    「ヌッシッシ」
    くすぐったくて思わず笑っちゃうと、ドラルク様も嬉しそうな顔をしてくれた。
    ジョンはそれがとてもとても嬉しくて……

    「ヌヌヌヌヌヌ、ヌヌヌヌッ(ドラルク様、おかわりっ)」

    もっと美味しそうに食べたらもっと喜んでくれるかなって思っておねだりした。
    (食べたかっただけじゃないよ?)

    「このお皿の中にある分は全部ジョンのものだよ。だけど、続きはちゃんとテーブルで食べようね」

    ドラルク様はジョンとお皿を持つとテーブルに運んでくれた。
    でも、ジョンはちゃんと見てたんだ。
    ジョンの分以外にももうひとつお皿があって、そこにはジョンのものよりも沢山ドーナツが乗ってるのを。

    「ヌッシッシ」

    お口を抑えて笑うと、ドラルク様はまだ気づかれてないつもりなのか不思議そうな顔をする。

    「何やら上機嫌だね。君が嬉しそうなのが私も1番嬉しいよ」
    「ヌヌヌヌ……(それなら……)」

    言葉の途中でロナルド君が帰ってくる音が聞こえた。
    ドラルク様も気づいたみたいで眉間がギュッてなる。
    ジョンはドラルク様とずーっと一緒にいたから、言葉になんかしなくてもドラルク様のほんとの気持ちわかってるよ。
    だから……

    テーブルの上にあったドラルク様の指をぎゅっと握ると、その指をなでなでしながらジョンの気持ちを伝えた。

    「ヌヌヌヌヌヌ、ヌンヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ、ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌッヌヌヌ
    (ドラルク様、喧嘩は長引けば長引くほど、仲直りしづらくなっちゃうよ)
    ヌン、ヌンヌンヌヌヌヌヌヌヌイ
    (ジョン、3人で仲良ししたい)
    ヌヌヌーヌヌヌヌヌヌイヌヌ、ヌンヌンヌヌヌヌヌヌヌヌイヌヌヌヌヌ
    (このドーナツも美味しいけど、3人だともっと美味しいと思うの)」
    「ジョン……」

    ドラルク様はしばらく悩むと、目を瞑って言う。

    「分かった。今回ばかりはジョンに免じて……でも、もう少し手伝ってもらってもいいかい?」
    「ヌン!(うん!)」

    ドラルク様はジョンの耳にコソコソ話をする。
    ジョンはお願いを叶えるためにドーナツの乗ったお皿を持つとロナルド君のとこに行った。

    「ジョンただいま……それ……」

    ドラルク様の美味しいドーナツはお店のと全然違うから、すぐに手作りだってわかってくれた。
    話しやすいように屈んでくれたロナルド君にお皿を渡す。

    「ヌヌヌヌヌヌヌヌ、ヌッヌヌヌーヌヌヌヌヌッヌ
    (ドラルク様がね、一緒にドーナツ食べよって)
    ヌンヌ、ヌヌヌヌヌヌヌヌッヌヌヌヌヌイ
    (ジョンも、ロナルド君と一緒に食べたい)
    ヌヌヌヌッヌヌイッヌヌヌヌヌ
    (だからあっちで一緒に食べよ)」
    「ジョン……わかった。しかたねぇなぁ!でも……」

    今度はロナルド君がジョンのお耳にコソコソ話をする。
    それを聞いて、ジョンはまた「ヌッシッシ」と笑っちゃった。

    ロナルド君はジョンを抱っこするとお部屋の扉をバンッと開けた。
    その拍子にドラルク様がお砂になっちゃった。
    ロナルド君はそのドラルク様の前に座ると
    「ジョンが言うから、仕方なく食ってやるよ」
    って言ったので、ドラルク様は元のかっこいい姿に戻りながらお口の端っこをピクピクさせて
    「あぁ、ジョンのための!ドーナツだけどな。私の優しくて可愛い使い魔のおこぼれにあずかるといい」
    って言い返してた。
    また睨み合ってバチバチしてるけど、でも無視してるよりずっとこっちの方がいい。
    でも、仲直りするにはあとひと押し。

    「ヌ、ヌヌヌヌヌヌ?(ね、早く食べよ)」

    そう言って2人のズボンの裾を握ると、一緒にジョンを見てくれる。

    「そうだね、せっかくだから冷める前に。ほら、ロナルド君も早く手を洗っておいで、もう出来上がってるんだから」
    「あ、あぁ……」

    こういう時はやっぱりドラルク様の方が大人。
    ロナルド君はまだ少し気まずそうだったけど、ちゃんと手を洗いに行った。
    戻ってくるまでにジョンとドラルク様でお皿を並べたり盛り付けをしておいたけど、ドラルク様がロナルド君のドーナツにいつもより多めのチョコをかけたのちゃんと見てたよ?

    そうだよね、だってドラルク様さっき
    「私も、そろそろ仲直りしたかったんだ」
    って言ってたもんね。

    でもね、ロナルド君だって
    「俺も、そろそろ仲直りしたかったんだ」
    って言ってたんだよ?

    やっぱり2人は本当はすごく仲良しなんだ。
    いつももう少しだけ素直になればいいのにね?

    「なんかいつもより盛り付け豪華じゃね?」
    「そう?気のせいじゃないかな?」

    知らないフリするドラルク様のお耳が少し赤い。
    でもそれがバレたらドラルク様はきっとまた恥ずかしくなって良くないこと言っちゃうから、ジョンはロナルド君にフォークを渡して注意をこっちに向けさせてドラルク様を守ってあげた。
    ジョンはドラルク様のガーディアンだからね。

    「ありがとジョン」

    このありがとうの言葉の中に、フォークを取ってくれてありがと。以外の意味があるのもちゃんと伝わったよ。

    ジョンはやっぱり、にっぴき仲良しが1番幸せだヌ。
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