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    aspara_umai

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    aspara_umai

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    ss練習途中〜!!ちょこちょこ更新!

    生温い風が吹いて、身体がべたべたする。少し先にある暗闇に光る自販機がジリジリ音を立てていて、
    『なんだか、夏っぽい』
    そう思うと少し楽しい気持ちになって、足元の小石を軽く蹴った。暑いけど、この時期特有の気怠い雰囲気は好きだ。
    「晶」
    ゆるりとミスラが首を傾け
    「後でコンビニ行きましょう アイス買いたいです」
    「いいですね 洗濯終わったら帰りに行きましょうか」
    俺の言葉に満足そうに頷くとミスラは大きなランドリーバッグを肩に背負い直した。
    家にも洗濯機はあった…つい先日ガコン、ガコンと音をそのまま動かなくなってしまったものが…。『この前テレビでやってたな夏の家電の不調……暑いと家電もバテるのかな』
    それなら俺の家のを使えば良いじゃないですか、とミスラの申し出があったものの、あのお洒落なドラム式洗濯機に大量のシーツやらベッドカバーを突っ込むのは気が引けた。
    「はぁ……あっつ……」
    「ですね…こんなに急に暑くなるとは」
    梅雨になると思ったらいつの間にか明けて、猛暑になっていた。ここ最近は朝も昼も夜もずっと暑い。少し前まで快適に使っていた暖かいベッドカバーもさすがに限界だった。
    「ミスラ、重くないですか?俺、自分で持ちます」
    「はぁ、良いですよこれくらい
    それにあなたさっきこれ持って息切らして来たじゃないですか」
    「はは…」もう少し鍛えるべきかも
    ミスラの腕はすごく太い、という訳ではないけどしっかりしていて筋肉がある。モデルもしているし普段から食事とか運動とか気を使ってるんだろうな…スノウとホワイトが。
    「何をじろじろ見てるんですか?」
    「え!」
    人の筋肉じろじろ見てました!とは
    「どうぞ」
    「?」
    「?」
    きょとんとした顔でミスラが俺を見ている。
    「腕組みたかったんでしょう?」
    「へ?!」
    「違うんですか?」
    「ち、違います!」
    そうですか、と腑に落ちない顔でミスラはまたゆるゆると歩き出した。
    夜とはいえ人も通るし、外で腕組んで歩くってちょっと恥ずかしい。ミスラはそういうの気にならないのかな。
    ただでさえミスラの隣で未だにどきどきしているのに、いかにも俺たち付き合ってます!という風に歩くのは心臓が持たない気がする。想像しただけで顔が熱い。
    『あれ?』
    顔を早く冷まそうと上を見たら沢山の星があった。夏の夜空は綺麗だけど、あれは
    「ミスラ!見てください!すごい光ってます!!」
    「え?ちょっと!」
    ミスラがバランスを崩しながら俺の傍に来て、空に一際綺麗に輝く星を一緒に見つめた。
    「すごい!あんなに大きくて綺麗に光ってるの初めてです!金星とかかな」
    「……?」
    「ミスラも初めてですか?!あんなに大きく見えるものなんですね!」
    「…あれ飛行機じゃないですか?」
    「…えっ」
    落ち着いてよくよく見ると、大きな白い光の下で赤い小さな光が点滅していた。さらに落ち着いて周りを確認すると、興奮した俺はミスラの手を握っていた。
    「…」
    繋がれた手を強く握って、ミスラが意地悪そうに笑って覗き込んできた。
    「、あは」
    「〜〜!!ミスラ!」
    「あはは!おかしい…ふふ、あなたすごく興奮して俺の手を引っ張って」
    「あ〜〜!!!やめてください〜!!」
    顔どころか身体全体が熱くて湯気が出てるような気がしてすごく恥ずかしいし、目の前で笑うミスラはいつもの色っぽい雰囲気とは違って少年のような笑顔でどきどきしてしまって頭がぐるぐるした。ぐるぐるしている。背中にじんわり汗をかいてるのが感じられてさらに暑くなった。
    「あはは…ふふ、おかしかった」
    「もう…忘れてください恥ずかしいので」
    「はは 嫌ですよ それより競走しません?」
    「競走?」
    急なミスラの提案にきょと、としていると、たぶんさっき笑った事で気分が良くなったのか高揚感を持て余した様子で
    「ええ、競走しましょうコインランドリーまで」
    「ちょっとミスラ、手を繋いだままですが!」
    「あはは!」




    「ッは、あ〜!!!」
    ベンチがひんやりしていて、火照った身体に気持ちが良い。
    結局ミスラと手を繋いだまま全力疾走をして、冷房が効いた店内に転がり込んでゴールした。
    『誰も居なくて良かった…』
    大きな洗濯物を抱えて洗濯機に放り込む俺の後ろでミスラは満足そうだ。
    『競走楽しかったのかな』
    でも俺も楽しかった。好きな人と夏の夜に手を繋いで走るなんてすごく青春だ。きらきらした感情が抑えられなくて顔がにやけてしまう。
    「ふふ」
    ガチャ、と蓋を閉めてミスラの隣に座った。
    「洗濯物持ってくれてありがとうございました」
    「どういたしまして」とミスラは得意げだ。こういう時のミスラは褒められ待ちの猫みたいでかわいい。
    ベンチに横並びに座って、暗い外を見ると店内の蛍光灯が異常に明るく感じられて、俺たちだけ特別な空間にいる気がする。
    実際はそんな事ない。時間的に人が少ないだけ、でも、ミスラと今は2人きりだ。
    『ふたりきり…』
    途端に心臓がどくどく鳴り出し、耳の奥でも鼓動が鳴ってる感じがする。手が汗ばんできた。暑い。
    「あ、いす何にしますか?」
    声が上手く出なくてひっくり返ってしまった。
    けど、ミスラはその事については特に気にした様子は無く
    「うーん…」
    「食べたいものがあったんじゃないんですか?」
    「いえ、特には」
    「?…でも今日は暑いですしアイス食べたい気分にもなりますよね」
    「晶は」
    と名前を呼ばれただけで心臓が跳ねた。さっきから何だかミスラを直視出来なくて視線がさまよっている。
    「晶は何にするんですか」
    「俺、は…何にしようかな…新しいのとか出てますかね?」
    「あなた限定品とか弱いですよね」
    目元を緩めてミスラが俺を見る。
    「へへ…だって限定品ですよ!その時しか食べられ無いんですから」
    そういうものですか?そういうものです!なんて話をしていたらピーッ!という音が聞こえ、洗濯が終わった。
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