生温い風が吹いて、身体がべたべたする。少し先にある暗闇に光る自販機がジリジリ音を立てていて、
『なんだか、夏っぽい』
そう思うと少し楽しい気持ちになって、足元の小石を軽く蹴った。暑いけど、この時期特有の気怠い雰囲気は好きだ。
「晶」
ゆるりとミスラが首を傾け
「後でコンビニ行きましょう アイス買いたいです」
「いいですね 洗濯終わったら帰りに行きましょうか」
俺の言葉に満足そうに頷くとミスラは大きなランドリーバッグを肩に背負い直した。
家にも洗濯機はあった…つい先日ガコン、ガコンと音をそのまま動かなくなってしまったものが…。『この前テレビでやってたな夏の家電の不調……暑いと家電もバテるのかな』
それなら俺の家のを使えば良いじゃないですか、とミスラの申し出があったものの、あのお洒落なドラム式洗濯機に大量のシーツやらベッドカバーを突っ込むのは気が引けた。
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