裏垢男子-ヴィオレッタの事情(サンプル)なぜカップルチャンネルを始めたか…だったよね。そうだなぁ。
(あ、今日のはいいね早い)
趣味、裏垢男子。
際どいコスプレやヌード、ランジェリーなどを纏い写真を撮る。
それをソーシャルメディアにアップするだけの簡単なお仕事。
そう、それはとてもインモラルな。
>> トラヴィアータたんやばい。抜いた
>> 今日も可愛いね♡♡
>> どこで会えますか?
ぶつけられるのはダイレクトに卑猥な言葉。
性的に消費されているとは思わない。
だって俺がみんなを支配しているんだから。
みんなの反応見るの、とても好きだよ。
「休憩ありがとうございました」
「おかえりー!早速だけどオーダー入ってもらえる?」
「りょーかい」
話は遡って、浮奇ヴィオレタ。成人男性。普段はカフェバーで働いている。
美味しいものと可愛いものと筋骨隆々な男性が好き。
夜は時々お店で歌わせてもらったりして。女衆4人で切り盛りするこのお店を紹介されて、越してきたのが半年
前だ。頑張り屋たちだけど距離が心地いいこのお店がとても好き。
もはや副業としての裏垢男子、トラヴィアータ(道を外れし者)って名前で配信したりしてて収入はダントツこっちの方がいいんだけどね。
そんなこと言えないから前の国で稼ぎまくって貯金がすごい額あることになっている。
「あ、ミリー、そういえば今度ふーちゃん来るって」
「え!都合ついたんだ」
「ふーちゃんくるの?それ俺いる日?」
「えー…や、私とバブの日だから…カウンターがむむとペトラかな?浮奇昼から残る?」
「あー……不自然、だよね。きっと…」
「浮奇とふーちゃん会わせたいのにな〜」
目下俺の気になる人、【ふーちゃん】。
4人が昔からお世話になっている人らしい。詳しいことは聞いていないけど、4人も血が繋がってないしふーちゃんも血縁というわけではないらしい。俺にも言えないことはたくさんある。複雑らしいが、それゆえに結びつきは強いのだと感じさせられる。
若い時の写真を見たけど美少女かって思うほど綺麗な顔をしていて。尚且つ優しさと愛情を感じる素敵な表情をしていた。
俺もあんなふうに愛してくれる人がいたら人生変わったかもしれないと思う程には素敵な話しか聞かない。
そして、それだけじゃない。
そんな慈愛に満ちた人から想像できないほどの小説を書く人なのだ。
実は全部読んでる。お店に置いてあるSF最新作はもちろんの事、シリーズものや処女作、探して見つけた別名義のSM官能小説まで色々。
甘美な指先を感じるような描写がたまらない。緊縛とかあんま興味なかったのに読んでたらやってみたくなったよね。
ちなみに影響されて撮ったトラヴィアータの写真は割と人気あった。
俺が乗り気なのは写真でも伝わるらしい。
その二面性を、俺にぶつけてくれないかな。なんて。
「はあ、残念だけど4人水入らずで楽しんで」
「ん〜。ふーちゃんには言っとく!」
「変なこと吹き込まないでよね」
今月もそれは叶いそうにはなかった。
♦︎
「hello everyone 」
月額登録者だけのスペシャルライブは趣味と実益を兼ねた楽しいものだよ。
「なんと、今日は案件動画です」
>>え!おめ!
>>なんの案件?
「今日いただいたのは『静かすぎるローター』のレビューなんだ。音が気になる人にはぴったりだね。色も可愛いし女の子も使いやすいかも。あとは…あまり推奨はしないけど、外でスリルを味わいたい人とかね」
コメントを見つつカメラを動かしてベッドに移る
「あれ、みんな今日の格好は不満?わかるよね、なんだと思う?」
>>彼シャツ!
「そう、オーバーサイズのワイシャツ一枚、って言ったら彼シャツだよね。今日は、『先に寝ちゃった彼に気づかれないようにヒトリアソビする音声動画』やっていくよ。