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    tmg_____315

    @tmg_____315

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    Xまとめ

    童貞協定の裏側 ✝️⚔️「僕は男だから、やっぱり触れるのは嫌か?」

    韮瀬は少し不安そうな表情で湊の顔を覗き込んだ。
    すると、顔を青くした湊が「そんなことある訳が」と首を横に振り言葉を漏らした。
    そして、彼を不安にさせてしまった、と己を強く叱責した。

    そんな姿を目にし「お前の本心を聞かせて欲しい」と、震える手に自身の手を重ねる。
    その優しさに絆されるよう、ぽつりぽつりと自身の思いを言葉にすると、その言葉を聞き漏らさぬよう真剣な眼差しで湊を見つめた。

    「貴方を好きな気持ちは紛うことなき真実です。ただ俺は、貴方に触れるのが怖い。貴方を傷付けないか、不安なんです。私は過去に過ちを犯しました。私の勝手な思いで沢山の人を傷付けました。そんな醜い自分が居るのを知っているんです。京平、貴方がとても大切です。貴方のことが好きなんです。それなのに、もしも大切にできない自分がいたら……、俺はもう……」

    悲観する湊を見つめ、大きく深呼吸をした韮瀬が湊に向け、「僕は要が好きだ。」と強く告げ、「お前はどうなんだ?」と訊ねると、その言葉にハッと我に返った湊が韮瀬の瞳に視線を向け、重ねられた韮瀬の手を強く握り返し「私も京平が好きです」と告げた。
    その言葉に安心したかのように、表情を綻ばせた韮瀬が「そうか。嬉しい。ありがとう。なら良いじゃないか。僕たちの気持ちが、この手のように重なっていることが大事なんじゃないかと思う。お前の心にある蟠りが今消えることは無いかもしれない。けれど、共に過ごすことで減ってゆくかもしれないだろう。」と目を細めた。
    そして天井を見上げた韮瀬が、要の思いに返すように言葉を続けた。
    「愛だ恋だなんて、正直くだらないと思っていた。けれど、お前に出会ってこういうのも悪くないものだなって思えたんだ。そうやって僕は変わって、今要の隣にいる。この時間を大切にしてゆかないか?」と告げると、湊の視界がじわりと滲み、心の奥底に留めていた黒くて重い記憶に温かな感情が流れ込んだ。
    「だから僕は怖くないぞ。要、お前に触れられるのはとても嬉しい。傷付きだってしない。約束しよう。好きだ。」と笑いながら、湊の髪を梳かすように触れ、身を乗り出しそっと額に唇を落とすと、そんな韮瀬に「京平、本当君には敵いませんね。ありがとう。私も貴方のことが好きです。」とふと微笑み、撫でるよう頬に優しく触れそっと唇を重ねた。
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