節分「こ、今年もやるんですか?」
「だって割と好評だしお賽銭入るんだもん」
よいしょ、と霊夢は沢山の豆が入った籠を持ち上げ鍋に入れる。その様子を華扇は青ざめた顔で見つめていた。
「無理にここに居なくてもいいのに。苦手なんでしょ?」
「そうなんですけど...やることは済ませてきましたし...」
「帰ってもやることが無い、と。私はてっきり修行の続きでもとか言うのかと思ったわ。」
あ、と華扇の口から小さい声が漏れて霊夢はそれを不思議そうにしていた。珍しい、と。
慣れた手つきで豆の調理をする霊夢を見つめながら華扇はため息をひとつついた。
「私、好きなんですよ。霊夢と一緒に居るの。」
「どうしたの急に。」
「...ほぼ毎日あるこの時間をちょっと自分が苦手だからって手放すのはねぇって。」
655