誘惑という悪夢にあの日に思った片割れへの想い
あの日に思った想い人への想い
ぐちゃぐちゃになって一気に脳を巡る。気持ち悪くて、嫌になって、変な声しか出なかった。
「貴方はこんな檻の中にいるべきでは無い。この想いを心に閉じ込めておくといずれ壊れる。」
あの子は誘惑するように言う。
だめだ、だめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだだめだ
分かってる、分かってるのに...っ!
「...っ!」
この天井は...ルチーアか。息を荒らげ、現状を理解する。ルームメイトは、違う。つまり今は昭和58年か。
私はゆらりと起き上がり、部屋に設置されたトイレへと向かう。気持ち悪い。夢だったはずなのに...いやあれは夢では無い。過去の記憶だ。あの時、惑わされ、最低なことをした私への。
いくら吐いても気持ち悪いままで、吐くものも無くなったことに気づいた。私はできる限りの処理をし、元の状態に戻す。
この悪夢に、いつまで苛まれなければいけないのだろう。
彼への再会は...せっかくの機会を前回なんということか、棒に振ってしまった。本当に確率は低い。また、彼に会うことは出来るのだろうか。
私は何のためにこんな事を?
「私って...何でこんなことしてるんだっけ...?」
私は床にぺたりと座り込み、泣くことしか出来なかった。