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    かがり

    @aiirokagari の絵文置き場
    司レオがメイン

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    かがり

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    (2024.11.30)
    12/1DRF発行予定・司レオ寄り添いアンソロジー『永遠のあなたとラストダンスを』(X:@tklo_withyou)に寄稿させていただいた小説のサンプルとなります!

    夏目君の催眠術で引きこもり期に逆行してしまったレオくんと、彼の手を引いて夢ノ先学院を巡りながら元に戻る手助けをする司くんのお話です。

    #司レオ
    ministerOfJustice,Leo.
    #小説
    novel
    #サンプル
    sample
    #DOZENROSEFES2024

    (アンソロサンプル)司レオ:その先の福音「ああ、ちょっとまずったかナ……」
     目の前に立つ真っ赤な髪の男は、不自然なイントネーションで、ぼやくように呟いた。
     自分と同じくらいの体格のそいつは確か、校内で見たことがある小生意気な後輩だったはずだ。どうしてここに? そんな風に記憶を辿ろうとした瞬間、眩暈のような感覚と共に思考が揺らぎ、ぺたりとその場に腰を落とした。
     訳が分からないまま辺りを見渡すと、ベッドが三つ並んだ真新しい部屋だ。恐らくは、共同生活のための空間。
    「ここ、どこだ……?」



    「……それで、一体何があったと言うのですか?」
     司は眉間を押さえて、情報の整理に努める。此処は星奏館の一室――レオ、夏目、なずなが生活を共にする三人部屋だった。
     立ち尽くす司の隣で、夏目はいつものように余裕のある微笑みをたたえ、こんもりと人の形に盛り上がったベッドを演技がかった仕草で示した。
    「まあ、見ての通りだヨ」
     ベッドの上で彼の人は、こちらからできる限り距離を取った位置どりで、掛け布団をフードのように被り込み、かろうじて顔だけを出している。かつての王であり、現在の我が騎士である月永レオその人はというと、そのような警戒心の強い動物のような有り様で、こちらをじとりと窺っていた。
    「いえ、全くもって分からないので説明してください……」 
     事の発端は、レオと夏目の日常の一幕とも言える同室トラブルだったらしい。曰く、「ほんのちょっと前まで頭に浮かんでた最高の旋律が! おまえのせいでかき消えた〜〜っ! 世界の損失だぞ‼」「そんなの知らないヨ。大体、明らかに何回言っても散らかしっぱなしで騒いでた騎士さまの方が悪いよネ」「さっきの『霊感』を返せ〜! もしくは代わりに何か面白いことしろ〜‼」などなど。
    「だからね、あまりに騎士さまがうるさかったから、つい言っちゃったんだ。『じゃあ、催眠術で少し前の自分に戻れるようにしてあげるヨ』っテ……」
     催眠術。夏目はそれもまた古風に、紐で括られた五円玉を小道具のように垂らし、ゆっくりと揺らしてみせる。
    「……で、どうやら勢い余っちゃったみたイ?」
     あっけらかんと告げる夏目の声に、レオの威嚇じみた唸り声が重なった。
    状況に混乱しながらも、司は思考を巡らせる。夏目の言葉とレオの状態から鑑みるに、「勢い余った」とはつまり、戻り過ぎたと言うことだ。恐らく――レオが不登校となってしまった時期にまで。

    (中略)

    「あなたは、夢ノ咲学院の三年生になりたての頃のあなた、なんですよね」
    「……学校には行けてない、から、三年生とか言っても、何の意味もないだろ」
     念を押すような問いかけに、どこか投げやりな返答がある。
    「意味が無いなんてことはないですよ」
     司は振り子のように勢いづけて、繋いだ手を揺する。
    「私、四月六日の生まれなんです。そして、今現在、夢ノ咲学院の三年生となります」
     司が学院の門をくぐってから二年が経過し、ネクタイの色は赤から青を経て、緑へと変化した。今日は世間的な休日であるため授業は無いものの、在学中の司は制服に着替えている。自身の言葉を証明するように、綺麗な形で結ばれた緑色のネクタイを示した。
    「そして、あなたは五月五日生まれでしたね」
     対して、普段から好んで着ているオーバーサイズのパーカーを着ているレオは、深く被ったフードの中から「何で知ってるんだこいつ」と怪訝な視線を覗かせる。それでもすぐに、先ほどの夏目からの紹介を思い出したのか、結局その後に続く言葉は無い。
    「お気付きですか? 私、今のあなたより少しだけ年上だと言えると思いませんか?」
     司は、上機嫌な調子を隠すことなく言葉を続ける。
    「これはもう『兄』と言っても過言ではないでしょう」
    「いや過言だろ」
     平坦ながらも迅速な突っ込みが入った。
    「遠慮しなくとも、おやつをあーんして差し上げますよ」
    「おまえの『兄』観は間違ってるとおもう」
     レオの目じりは鋭く、視線はまるで睨むようだが、声には呆れたような響きがある。「誰に影響受けてるんだ?」と虫でも払うように手を振りほどかれてしまった。
    「……あなただって、大概、妹さんに甘いでしょう」
    「おれは本人の前ではクールぶるタイプなの」
    「それはそれでどうかと思いますが……」
     レオの変わらない側面に、司は声もなく苦笑した。
    「では、先輩として扱っていただいても構いませんよ」
    「一ヶ月も差がないなら同級生だろ」
    「そのくらいの差で学年が分かれることだってあるでしょう? 実際、私と鳴上先輩は年齢差だけで言ってしまえばそんな感じです」
     学食で奢って差し上げましょうか、とレオの手を再び取って、エスコートするように恭しく引いてみせた。
    「おまえの先輩風の吹かし方もちょっと間違ってるとおもう……」
     そうしてまた連行するような体勢になっても、レオは一先ず振り払うことはせずに手を引かれている。司はその様子を窺い見るようにして、半歩先から顔だけを振り向かせた。
    「頼ってほしい、ということです」

    (後略)









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    「結婚指輪って、別に右手でも良いんじゃなかったかな。馬鹿だねお前。だからって其処までしなくても良かったのに。本当に馬鹿で愚かで可愛い」
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