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    NeCromancer

    @girl_be_prince

    枠外・行間・脳内でガチりば補完された幻覚を生産することで魂を浄化するガチれず百合豚
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    NeCromancer

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    正邪のツガイの二次創作小説です。原作と翻訳…色虎、添削…NC

    暴風雨漆黒の雨夜、暴風雨がこの壊れた街を洗い流している。青白い稲妻が時折夜空を切り裂き、魔獣たちの狰狞な顔を照らしている。醜悪な叫び声が雷鳴と共に混ざり合い、人々に恐怖心を与えている。ツバメは折れた長槍を引きずりながら、道路に横行する魔獣たちを避け、崩壊した建物に突入した。整然としたスーツは何カ所か裂け、血が滲み出し、暗い灰色のコンクリートの地面に滴り落ちた。

    今回の秘密の調査任務で出くわした魔獣は非常に強く、非常に異常で、精神攻撃や支配に長けているようだった。その叫び声は、ツバメの脳が引き裂かれたような感覚を与え、彼女の不安定な精神に不快感をもたらした。同時に、その叫び声は大量の魔獣を引き寄せ、獣潮を引き起こした。豊富な戦闘経験を生かして、ツバメは囲んでいる魔獣たちを突破し、崩壊した壁の前に倒れ込んだ。

    魔獣たちの一部が血の匂いをかぎつけて追いかけてきた。ブンブンという騒音がますます大きくなり、長槍を握る手は激しく震え、ツバメは歯を食いしばって正面から立ち向かおうとした。しかし、振り返ると、すでに魔獣は四つに裂けていた。そしてそこには炎に包まれた刃と、ニンマリと笑った口元があった。

    「キミは…誰?」ツバメは震えながら立ち上がろうとしたが、突然激しい痛みが襲ってきて、再び頭を抱えて地面に跪いた。ツバメの脳裏に、自分が誰か少女の髪を編んでいるような場面が浮かび上がった。何かを話しているようだが、何を言っているのか聞き取れない。そして燃える洋館を見た。自分は『誰か』に腰を掴まれて引きずられていた。火の中でバイオリンの弓を持った少女が『誰か』…犠牲者の目にそれを突き立て、発狂して笑い出した。幻想の中で、ツバメは誰の顔もはっきりとは見えず、濃い霧の中を見つめているようだった。

    「優雅な騎士様でも敗北することもあるんだね」とモズは軽蔑的に言った。しかし目の前でツバメが跪き、頭を抱えて急かされるように苦しい息を吐いているのに気づくと、モズは矢のように速く飛び跳ねるようにツバメのところへ駆け寄った。「ツバメくん!私を見るんだ!しっかりしろ!」モズはツバメの肩に手をかけ、ツバメの額に頭を当てて彼女を正気に戻すために努力した。

    「いやだ……行かないで……そこに……行かないでくれ……」ツバメの壊れやすい精神は、脳皮質に傷をつけ、割れたガラスのように感じた。誰かが近くにいるのを感じたのか、まるで溺れている人が浮き木をつかむように、ツバメはモズを抱きしめて倒れ込んだ。モズは、自分の肋骨が折れそうになるほど抱きしめられているのを感じたが、震える身体を押しのけることはできなかった。

    「冷静になりなよ、ツバメくん。冷静に」モズはツバメの湿った髪を撫でながら言った。普段太陽のように温和なツバメが、凍りついた死体のようになってしまっていた。しかし、ツバメの冷え切った首がほおに触れると、動脈の鼓動を感じることができた。ねばつく液体が顔に沿って流れ落ち、モズは舌を出してそれをなめた。口の中で血の匂いが広がり、まるで魔法にかかったかのように、モズは頭を傾け、ツバメの首筋に流れる血をなめ、出血する傷口を吸い取った。

    ツバメの頭の激痛はゆっくりと軽くなっていった。麻痺し動けない体のまま、後頭部を優しく撫でられているような、首を仔猫に舐められているような、温かくて少し痛い感覚があった。ツバメはゆっくりと意識を失っていった。

    「ツバメくん?」自分の腕をしっかりと抱え込んだツバメの息も荒くなくなったので、モズは一声呼びかけた。しかしまだ返答はなかった。
    モズは立ち上がり、用意していた緊急処置薬をツバメに注射し、CAGEに救援信号を送信した。
    ツバメはモズの膝に頭を載せて、静かに呼吸していた。本来白い肌が雨とほこりで汚れ、少し疲れた様子だった。モズは静かにツバメを見つめ続けた。彼女は破壊された美術館の中にいた。そこには壊れた大理石の像が残っていたが、それでも美しく魅力的だった。
    遠くで雷が鳴り、モズは警戒心を持って頭を上げ、両手でツバメの耳を押さえた。雨はまだ降っていたが、かなり小さくなっていた。自分が何をしているのか理解したモズは軽く笑いながら言った。
    「馬鹿げてるなぁ。私は何をやっているんだろう?」しかし、美しいものには抵抗できないと、ツバメの耳を撫でつつモズは思っていた。
    人に危害を加えることはよくないが、良い子にもなりたくなかった。モズはツバメの薄い唇にキスし、唇をなめて息を奪った。手を耳から後頭部に移動させ、頭を少し上げる。肺に残された酸素が枯渇する直前までキスを続け、軽く噛んで離れた。

    「ツガイを失って、こんなにも弱くなってしまったの?」モズはツバメの首を軽く掴んだ。しかし気を失ったツバメからの応答はなかった。モズの直感には、ツバメが危険な状態にいることを示す微かな確信があった。
    「しかたないか。私に君を非難する資格はないし。でも…似ているところがあるのかもねぇ、私たち」モズはツバメを壁に寄りかからせ、彼女の折れた長槍を拾い、手のひらに開いた手に握らせた。その時、輸送機の轟音も遠くから聞こえてきた。
    「もしかしたら、共に地獄へ行くことができるかもしれないね、ツバメくん」モズは最後にツバメの頬を軽くなでた後、振り向かずに夜色に溶け込んでいった。

    半開きになっていた蒼色の目を、彼女が見逃してしまったのも無理からぬことだった。
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