その後てきな 葬式の経験なんて、殆ど無かった。あっても仕事の仲間の葬式ぐらいで、ここまでこじんまりとした内々の葬式は初めてだった。
俺が用意した別人の遺体を使った轟燈矢の葬式。
ご家族だけの葬儀に世話になったからと呼ばれはしたものの、来なければよかったと思った。万が一バレてしまった場合に備えて来たが、改めて自分の罪を突き付けられた気分だ。
啜り泣くエンデヴァーさんと奥さん、手を合わせて肩を震わせている娘さんに、俯いている焦凍くん。そして、もう殆ど縁は切れたと聞いている次男の夏雄くんはわざわざ葬儀に足を運んでくれたようで、強く唇を噛み締めていた。
遺骨を骨壷にみんなの手で納める。
みんなの泣き声に胸を掻きむしりたくなった。キツイ、苦しい、今すぐこれは別人の骨なんだと白状したい。
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