うさぎになったら 魔術師として生きていれば呪いの一つや二つ受けることだってある。こうやって毎日のようにエネミーと戦闘するような暮らしをしていれば尚更だ。
一般的な呪いについてはカルデア礼装や自身の装備で軽減することもできるが、さまざまな時代や地域を渡り歩けば未知の呪いに遭遇することもある。それは重々承知していた、つもりだ。
──でも……だからって、こんな呪いアリか!?
姿見に両手を突いて凝視する。何度も目を擦るがそれは現実逃避にしかならないのは分かっている。だが受け入れ難い。
頭の上には髪と同じ色の白くてふさふさした長い耳。ご丁寧に礼装のピアスもきちんと付いたままなので間違いなく僕の耳なのだと主張していた。
「兎耳……いや、尻尾も……?!」
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