その2「夜の森にて」 馬で一時間くらい走っただろうか?
森の入り口にヨレンタは到着した。
「疲れちゃった。少し休みましょう。」
ヨレンタは、馬の首をポンポンと叩いた。
馬が呼びかけに応えるように首を振った。
馬が止まると、ヨレンタは、馬から降りた。
「寒い……。」
手袋は奪われてしまった。
凍えた手は、じんじんと痛かった。
「はぁ~……。」
ヨレンタは、息を手に吹きかけて温めた。
日没から数時間経ち、すっかり夜だった。
P王国の冬の夜は長い。
緯度が高い為、3:30には日没を迎える。
(馬と一緒に眠れば、凍えることはないかしら?)
夜通し歩けば、凍えることは無い。
しかし、ヨレンタは疲れ切っていた。
(出来るなら、今すぐベッドで眠りたい。)
ヨレンタは馬の手綱を引いて、しばらく歩いた。
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