双子で最強、親友で最恐、僕らは「さいきょう」 まとめ1989年 五条悟
五条憂太 誕生
この年、対の怪物が世に生み出された
「おい、憂太。」
声変わり前なのに僕よりも男性らしい低くて甘い声が背後から聞こえてくる。
サラサラの生地がふんだんに使われた白と瑠璃色のグラデーションと背後から聞こえてくる声の主の目の色と同じ花が咲き乱れる僕の小紋に声の主、改め僕の双子の兄である悟兄様が羽織った小紋が重なる。
「何ですか?兄様」
「兄様なんてやめろよ。胡散臭くてて仕方ねぇ。」
兄様…いえ、悟兄さんはドッカリと僕の隣に腰を下ろす。
僕がいるのは、自室の縁側兼釣殿で、いつも涼しい風が吹き抜けるから家の中で一番のお気に入りの場所なんだ。
僕の生まれた五条家は呪術御三家の一角を担う、いわゆる名家で、能力の高さが物を言う家で、能力が高ければ兄を差し置いて弟が家長になることもある家でもあるんだ。
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