夜空を彩る想い【レンマサ・オメガバース/番外編】 婚約式の後、二人だけとなった真斗とレンはずい分長い間話をしていた。
だが、その日はこのままずっと一緒にはいられるわけもなく、別々に家へと帰らなければならない。
真斗は離れがたくて、レンを引き留めるようにいつもより饒舌になっていた。それでも流石に、そろそろ帰るとレンの兄から声がかかり、ホテルのスタッフが部屋にレンを呼びに来た。
レンが帰る時間が来てしまったと理解して、真斗はなんとも切ない表情になる。
そんな真斗を見て、レンは愛おしさが込み上げて思わず抱きしめた。
「そんな顔をしないでよ。帰りたくなくなっちゃうだろ」
真斗は抱きしめられて、おずおずとレンの背に手を回す。
抱き合うなんて慣れなくて、心臓がドキドキするのに、なぜかとても安心すする。
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