カップリングなりきり100の質問に答えないと出られない部屋「なあ流川……俺らが帰って来たのって、確かにウチだったよな?」
「っす。午後から買い物に出掛けて、飯食って、さっきセンパイの家に帰って来た」
「マンションの駐車場に車も停めたし」
「車のキーもさっき玄関に置いてた」
流川の言葉に、「だよな」と深く頷く。
「……じゃあ、ここは一体どこなんだ?」
自宅の玄関からリビングへと続く扉を開けた筈が、目の前に広がっているのは全く見覚えのない部屋だった。なんだこれ。一体、何が起こってやがる。
「センパイ、」
無意識のうちに一、二歩、部屋の中まで足を踏み入れた状態で茫然と突っ立っていたら、隣の流川が急に俺の手をぐっと掴んだ。
「ドア、開かねぇっす」
「え?」
慌てて振り返るとこれまた見覚えのないドアがあり、閉じた記憶もないのにいつの間にか閉まっていた。いや、俺の部屋のドア……こんな形状じゃなかっただろ。色だって違う。
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