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    kazura1212

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    #フェルムコ
    fermco

    人肌が恋しくなったムコーダさんの話し 嗅ぎ慣れた香りとよく知る気配を感じゆっくり瞼を開くと、獣舎の陰からムコーダが顔を出した。
    『こんな時間にどうしたのだ』
    「ごめん、起こしちゃった?いや、えーっと、ちょっと人肌が恋しくなっちゃって」
    『我は人ではないが』
    「いいんだよ」
     そう言うとさも当たり前のようにムコーダはフェルのお腹のあたりに身体を滑り込ませてきた。収まりのいい位置を探し、もぞもぞと身体を動かすムコーダのやりたいようにさせ、後ろから見守る。
    「あったかい……フェルとこうやって二人きりなのも久々だな」
    『そうだな』
     季節的にはもうすぐ冬だ。この時間は少々肌寒い。だが、宿屋の中であればまだ冷えることも無いだろう。
     などと、無粋なことを言うつもりはないが。
     ムコーダを包み込むように後ろから抱きしめると「重いよ」と優しい声色が返ってきた。言葉だけで嫌がる様子はない。
    『ここで寝てもよいが、スイが目覚めた時にお主がいないと探し回るのではないか』
    「うん、スイが起きる前には戻るよ」
    『明け方に起こしてやる。今日はもう寝ろ』
    「ありがと、フェル。おやすみ」
     こんな夜も悪くない、と腕の中に温もりを感じたまま幸せな眠りに引き込まれた。
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