梅その電話は午前4時とか言うふざけた時間にかかってきた。
「……黒死牟殿、もしかして日本にいないのかな?」
「いや…日本だ…日本三大梅園の名所と言われている農業公園に……」
常のようにゆっくりとした声音が聞こえてくる。そんなことはどうでも良かった。
黒死牟のことだから、日本にいないで海外で暴れまくっていて、時差を計算していなくて電話してきてもあり得ると思っていたけど、どうやら分かっていてこんな時間に電話をかけてきたらしいと、寝惚けた頭で童磨は息を吐いた。無惨様ならばこの手の嫌がらせはあるけど、黒死牟殿の嫌がらせは珍しいなと本気で童磨は思った。
「……で、何かあったのかい?」
「……眠そうだな……」
「眠そうなんじゃなくて、実際に寝ていたんだ…」
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