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    〈燭火〉(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19907402)の日本語訳です
    訳‧あずき

    灯火深夜、真っ黒なリムジンは道路で走っている。

    喪服を着た峯は、両手で黒い紙箱を抱えながら、窓の外をじっと見つめた。道端の黄色い街灯は、高速で走っている車に従って、長い尻尾を引っ張り、ひとつずつくわえて、真夜中に浮かび上がった金色の小川となった。ひとつの考えは頭に浮かぶ——この小川に沿って進むと、長いトンネルが破れたかすかな光のように、これ以上に素晴らしい未来にたどり着けるのではないかと——何故か、惚けて出棺の回廊を思い出し、箱をより強く抱きしめた。

    「――会長。」

    頭を上げて見たのは、向こうの部下が携帯を持って、こっそりとある外資の名前を伝える。

    携帯を渡されて「どうした。」

    「よく分かねぇが、こちらは急に航行管制始まっ――とりあえず何かしたから、全員港口から出さねぇよ!恐らく、今回二週間以上遅延する可能性があるよな。」

    「分かった。」

    「入ってまた、よろしくお願いしますわ――」

    「分かった。その時にまた連絡する。」

    あちらは何回も丁寧に感謝の言葉を繰り返したが、ガラガラと古い時計のような音しか感じられなかった。何も言えずに電話を切った。車は急に激しく曲がり、紙箱は太ももから飛び出して、膝から落ちそうな感じがした。運転手は部下に𠮟られた同時で、峯は箱を掬い上げ、何か確認するように指先で箱の表面をゆっくり触っていた。

    大吾は二ヶ月前に亡くなった。彼は後任として七代目になって、後始末が始まった。葬式と祝い、悼むと祝福、ついに何日前、彼はタバコを吸い暇がある時、大吾から残された写真を思い出した。過去の彼は大吾と共に亡くなったが、新たな生活は過去が真っ白であることを意味しており、その意味として、彼はまだ完全に殺されていない。

    表れる空間は隠れた内面世界のようであり、部屋の壁は写真で飾り立てられているが、悪趣味はない。だけど、居所と本部を片付けた後、保存された写真は弾倉の半分ほど高さがある。二年間の大吾の全てが平らで、きちんと、両手中の紙に縮められている。そのまま黒いフランネルを敷いた紙箱に入れ、心残りは全くないはずなのに、彼は棺を覆く前、思慕うまだ怯むことなくロクの隣でうつ伏せになった子どものような、口をつぼめてトップにある一番古い写真を見ている。写真中の大吾、五官は穏やかな位置にあるが、目尻や鼻翼、唇の端から薄く笑みが浮かんでいる。多分ここから感じた魅力かもしれない――初めて目が合った時、まだ壁を築いていない時、大吾は包み隠さず手を開いた。ほぼその瞬間、峯は彼に惚れた。彼は灯りで一室を満たす物語を聞いたことがあり、最初はくだらないと思ったが、大吾に会った後、それは最初に感じた幸せの形だと信じていた。

    二年間、彼は大吾がくれた、灯りで満たされるような幸せを心ゆくまで守っている。あの幸せが満ち過ぎて、まるで永遠を信じるようになった。あの夜まではそうだった。彼は目線を桐生の死体から離し、硝煙が出る拳銃をベッド上の大吾に向けた。あの人穏やかな呼吸を聴いて、酸素マスクに貼った薄霧を見て、もう後がない。人差し指をトリガーにかけ、永遠の生と死は同値、彼が新生へ向かわなければならない。彼はグリップを握った、愛した大吾はもう死んだ、もう後がないだ。

    部屋を照らす火が大吾の頭に打ち抜いた後、吹き出す血が飛び散り、血まみれになった。まるで荒れ狂う波から跳び降りるしぶきのように。

    彼はブレーキした衝撃で我に返った。車はある海浜道路のあずまやで止まった。部下に一時間後に来るように伝え、箱を持ったまま降りる際にビールを取った。

    前に酔った時、彼と大吾がここで何もせずに湿っぽい夜風に当たることを思い出した。あずまやの近くに苔が覆われた手水鉢があった。あの時大吾は酔っぱらって、手水鉢のふちで座り、駄々っ子のように腕を引っ張って一言も言わず――大吾さん、大吾さん――彼の顔色を変わった時、大吾が手水鉢を指差して、酔っぱらって笑いながら「今日ここで寝ってみようか」と言った。

    夏は元々虫が出る季節、彼は手水鉢まで歩いていく、蠅は死体に囲むように彼の周りを飛び回っている。何も表情を出さず、紙箱を手水鉢に入れる。箱は手水鉢の底にいる、まるで結末が見えた棺のように。

    火が来た、あっという間に箱の輪郭を飲み込まれて、誰かに酔い潰すように、彼は缶を開けて中に入れた。火が燃え盛った、上がる熱気が顔を温めた。無意識に手の甲でほっぺを触ったが、まだ寒い。

    周りがガラスかねがかぶせるような静けさになった。一人で焚き火を見て、火を紙箱に燃やし尽くし、写真はかっかとする火の中でパチパチと鳴る。この慕うが見出す希望に胸を膨らませたところ、好きを口を滑らすだったところ。今こそ分かったのは、あのような幸せから遠く離れていることだ。いつのまにか火が弱くなっている、木の枝で焚き火を動かしながら、少し感じたのは、今燃えているのは大吾の遺物だけではなく、前世代、前世から今まで残された遺物であるということだ。いよいよ新生へ向かった、彼は呆然と思っている。今更、もう後がないだ。

    しぶきが耳に上がり、それに伴って来たのは悲しげなため息。音に驚いて頭を上げると、周りは空っぽだった。そのサイズは赤ちゃんぐらいの残骸で、縁はまだ赤っかった。見た光景はまるで生まれたばかりの胎児大吾のように、黒い煙の中で苦しくて嗚咽している。でも思い出した。彼は大吾の幼少の模様も知らなかった。想像中の胎児大吾が脱皮して、縮こまって震える自分になった。

    ズボンの裾を引き上げて、一言も言わず靴の先で火を消した。

    帰り道でまた電話がかかってきた、ある電子産業会社の案件だった。自然に会話することができたが、体調が故障してしまい、緊急措置で対応していることを知っている。これから記憶がなかった、街灯の光輪が眩しくて目が痛くなることしか覚えていない。

    我に返る時もう居所に到着して、ベッドサイドに座り、絨毯をぼんやりと見つめた。はっきりとした空虚感に抱かれ、無断動悸が始まった。重なる掌で顔を包み、おでっこから冷や汗が流れる。落ちるような虚無感に囲まれているけれど、もう後がないだ。

    ベルトヘッドを脛ぐらいまで落ちて、右手で下腹の熱を覆いながら、武者震いで分別を失う。これが無駄遣いだと分かっていたが、やるせない。何を思い出そうとしても、空虚感以外は何も伝わってこない。ただ唇を噛みしめ、瀕死のような苦闘の中で、哀れな形で力強く手を動かした。

    目がぼんやりしている瞬間、ある明るい顔がぼんやりと思い浮かんだ。よく見えない顔が笑っていたが、あの笑顔は灯火のように風に吹き消された。
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