申年と酉年の話「「あ」」
昼下がりの神域に淡い小豆色の髪が揺れていた。
よく見ると何故か酉年が俺の神域にある花壇の前で座っていた。
「うわー。こいつと声重なるのツイてない日ね。最悪ね。くたばればいいのに。」
「え〜すごーーーーく心の声漏れてるよ〜?申年」
「なら早く帰れね。邪魔ねお前。」
俺は持っていた如雨露を酉年に向けて傾けた。
早く帰れの意を込めて。
「わ!ちょっと〜!濡れちゃうでしょ〜?なぁーに?濡れた僕も素敵だからって大胆♡」
「今すぐその顔面凹ませてやってもいいね」
「冗談だってば〜。こっそりと如意棒出さないでよ〜物騒だなぁ。はぁ〜、ここ最近君が穏やかになったって聞いたのに全然じゃない」
「内面は変わってないね。しゃべり方だけ気をつけてるね」
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