正月小説1月4日、世間のサラリーマンやOLが正月休みを終え、仕事を始めた日に私はようやく仕事を終え正月休みを始めることができた。非常に残念なことにニューイヤーパーティーで薬物が使われることがあるようで、今年の年越しは盛り上がるパーティーに冷や水をかけているうちに終わってしまった。それから犯人の聴取やら報告書の作成やらで初日の出を庁舎の窓から眺め、いまだ初夢が見えるほどには睡眠がとれていない。それでもなんとか明日の午前休をもらい決して早いとは言えない時間に帰宅した。事件が起こったのは風呂に入る気力も食事をとる気力もないままにこれまた夢を見ることもなく熟睡した次の日の朝のことだった。
「う、うさ耳が生えてる…」
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