きみと、どこかとおくへプロローグ たびのはじまり
かんせいしタラ ぜひ、
キミと ドコかとおくへ
たびにでたいナ。
ポップスターじゅうに散らばったローアのパーツをみんなで集めていたあの頃。マホロアはふと、そんなことを言った。いつもと変わらない、朗らかな笑顔を浮かべているのに、その瞳はなぜか哀しげに見えた。まるで、捨てなければならないのに、どうしても捨てられない宝物を、ただじっと見つめるような。そんな目を、していた。
マホロアは、そのときの会話を覚えているだろうか。たぶん、覚えているのだろうな。マホロアは頭が良いから、きっと記憶力も優れている。一方ぼくに対しては、自分が言ったことなんてカービィは覚えちゃいないだろう――とか、そんなふうに思っていそうだ。確かにぼくは、マホロアに比べたら理知的でもなんでもないし、人よりぽけーっとしてる自覚はある。でも、大切なことは、ちゃんと心に焼き付いているんだよ。
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