🎾👑🎧に妬く両片思いな木卯「……ふふっ」
「何をひとりでニヤニヤしている」
「わぁあ?!!柳っ!!いっいきなり話しかけないでよ?!!」
「……図書室で大声を出すんじゃない。……やけに慌てているようだが……どうかしたのか?」
背後から突然声を掛けられたのは、明日の小テストに控え、放課後図書室でいそいそと自習をしていた時だった。
――前回の授業から先生に次回は小テスト宣言をされていたため、毎日少しずつ対策勉強をしようしようと思っていたら全くせずに前日になってしまったのだ。内申にも加点されるという噂を今日の昼休みに聞き、慌て始めたのがつい2、3時間前。直帰してはどうせまただらだらと勉強せずにテストを迎える……。
そんな未来しか見えなかったので己を律するためにもひとり図書室に来たのであった。……しかしどうもやる気が起きないため、十分静かな図書室であるがイヤホンを装着していた。なぜかと言われれば、そのイヤホンが"やる気を起こさせてくれるため"だ。
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