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    🧀お誕生日おめでとう
    ハッピー新婚トルハフチルライss
    なんでもいい人向け

    いの一番に、お前に。新婚トルハフチルライ
    なんでもいい人向け

    いの一番に、お前に。

    チルチャック視点

    明日はライオスの誕生日……そしてアイツの好物はチーズケーキだ。
    誕生日を祝うのに、どうするか色々考えた結果……。
    前回と同じくマスターにケーキを、作ってもらう手も考えたが……俺が作ってみるってのもありだよな。
    ただそうなると、どこかで場所を借りるか……もしくは家で作るしかなくなってしまう。
    だが……家だとバレてサプライズの意味が無くなるし、アイツには隠しようもない。
    「……しょうがねぇか」
    心底嫌で仕方ないが、これ以外どうしようもないのだ。
    ライオスには仕事に行くと伝えて、いつも通りスーツに袖を通したが……本当は今日も明日も休みを取っている。
    確か今日はアイツも休みだから、このまま家に居るはずだ……。
    周りは空き家だし、俺は躊躇なくインターホンを連打し起こす事にした。

    「で、お前ん家に来たってワケだ。キッチン貸せよ?後余計な邪魔したら殺す」
    「脅しがド直球過ぎやしねーか……」
    用心深くなぜか扉にはチェーンがかかっていたが、引きちぎる勢いで無理矢理開けようとしたらやっと観念した……早くそうすりゃいいのに。
    「日頃の行いのせいだろ。俺はまだ許してねぇからな」
    ギロリとダンダンを睨みつつ……俺は部屋に入った。
    まぁ俺の家より狭いが充分か、贅沢言ってもしょうがないしな。
    まず初っ端行った事は消毒だ。
    ライオスの食べるチーズケーキに、コイツの部屋のバイ菌が入っちまったら大変だからな……。
    机の上とキッチンの上に雑に置かれた缶ビールを消毒しながら、ゴミ袋に分別して捨てていく。
    「どぁっちょ、おま!容赦ねぇな!?まだ飲みかけてんのに……」
    「お前はちゃんと片付けとけ」
    「いや、ちがっ!休みだからゆっくりしてただけだわ!普段はこんな訳ねーだろ!」
    ぎゃあぎゃあ喚くダンダンを他所に、冷蔵庫もスペース開けて準備は整った。
    「ん、じゃあ邪魔すんなよ。何なら出てけ」
    「それが家主に言う事かよ……まぁいいや。ライオスの為だもんな?へーへー大人しくしときますよ」
    今回作るチーズケーキは、シンプルに固めたら出来上がるレアチーズケーキだ。
    調理器具が揃ってなくても、最低限冷蔵庫があれば何とかなって男でも作りやすい簡単なものを作る。
    「凝ったもんは作らねぇんだな」
    邪魔すんなつってんのに、コイツはなぜか覗き込んで来やがった。
    「お前の金でオーブンが用意出来んなら、してたけどな」
    「オレん家に、そんな豪華なもんがあると思ってんの……」
    「ないって分かりきってるから、レアチーズケーキ作るんだよ」
    「へぇ……なーチルチャック」
    人がレシピ確認しながら作ろうとしてるのに、なんでコイツはまだ邪魔をして来るのか。
    「なんだ邪魔すんな話すな。どうせ録ってアイツに聞かせたりするつもりなんだろ?」
    「うぐ……」
    「やめとけよ。バカな事しようとすんなよ」
    盗聴器も多分仕込んでるんだろうが、そこら辺やめろと伝えたし……対策は抜かりない。
    「おまえとの惚気とか、ライオスは普通に話してくれんのになー」
    「聞いた所でうんざりするくらい、後から俺をからかうつもりなんだろ」
    「うん」
    分かってんじゃんと軽く笑うが……こっちからしてみたらたまったもんじゃない。
    「だから言わねぇんだよ。ともかく邪魔はするな」
    再三言うと諦めたのか寝直すらしい。
    やっと集中出来る……しかしコイツの部屋のキッチン狭いな。
    ライオスが食うから食いやすいように……かつボリューミーに、後は冷やし固めるだけで完成だ。
    「……どうせなら、ジャムも作るか」
    煮沸消毒した瓶に詰めてある程度冷やせたし、そろそろいいか。
    「んじゃ帰る」
    片付けは済ませたし、もうここに居る理由もなくなった。
    キィ――バタンっ
    扉の閉まる音でダンダンは飛び起きた。
    「え、あ――おぉ?あのヤローマジで、ただ場所借りに来ただけかよ。さてと……なんか面白いもんでも撮れてねぇかな」
    俺が出て行ったのを見計らって何やら騒がしい……。
    やっぱり何か仕掛けてやがった……先手打って良かった。
    「げっ!壊れてやがる……アイツ!」
    悔しがるダンダンの声を聞いて満足気になった俺は、証拠隠滅した。

    「さてと……明日までどうすっかな。このケーキ」
    マスターの店だと応援って形でライオスがいたら、鉢合わせしてしまう可能性もあるし。
    そうすれば仕事は?って慌てふためく姿も浮かぶ……何が最適解か。
    少し考えて俺はこれしかないか……と浮かんだある人へ電話をかけた。
    『もしもしチルチャック?』
    「ファリン悪い……ちょっといいか」
    『うん!どうかした?』
    キィ……ガチャッ
    「いきなり悪い……」
    「ううん大丈夫だよ!兄さんケーキ大好きだし、匂いで気づいちゃうだろうし……」
    俺が来たのはファリンが、友人とルームシェアしている家だ。
    「これからチルチャックはどうするの?」
    「あー……仕事に戻る。思ったより早めに作り終わったからな」
    このままファリンの家に居座る訳にも行かないし、仕事に行こうと最初は考えていた。
    なんでも一緒に住んでいる友人……はライオスも会った事がないらしいが、女子高出身で男性に馴染みが薄いそうだ。
    鉢合わせたら何かとんでもねぇ勘違いしそうだな。
    「じゃあケーキは夜に取りに来る?」
    「あぁそうさせてもらう。悪いな」
    「ファリンただい……!?」
    「あ、マルシル!」
    それから色々あって苦労したが……なんで今日に限ってこんな目に遭うのか。
    そりゃ家に帰ってきたら友人の目の前に見知らぬ大男が居るもんだから、通報する気持ちも分かるが……来てくれたのがナマリで助かった。
    「えと、つまり……ファリンのお兄さんの旦那さんなの?」
    「うん、チルチャックは義理の兄さんだよ」
    「あっはっは……あんまり騒ぐもんだから来てみたら、面白い事になってんねぇ?」
    「勘弁してくれ……」
    結局あれからなぜかマルシルに、馴れ初めを聞かれたが……本人に会ったら話してやると約束して後にした。
    とっぷり夜も更けて……仕事に戻りたかったのに、戻る事もままならなかったな。
    「マルシルがごめんなさい……」
    「いや、構わねぇよ気にすんな。ファリンはアイツに何贈るんだ?」
    「えっと私は、兄さんにはこれ贈るつもりだよ」
    そう言って出された物は……レッドドラゴンのブランケットだった。
    「これまた迫力がすごいもんだな」
    「チルチャックも使えるように、大きなサイズにしたんだ」
    「へぇ……そりゃ有難いもんだ」
    明日はマスターの店でパーティを開くが、ケーキは朝に出すほうがいいか夜がいいか悩むな。
    「チルチャックのプレゼントは、多分一番に欲しいと思うよ?」
    「流石にケーキ何個も食うのは、苦痛じゃねぇか?」
    「きっと兄さんの事だから、何個でも食べられるし心配しなくて大丈夫っ!」
    ファリンに後押しされて……結局朝イチに出す事にした。
    というか今確実に家に居るのに、これ持ってたらバレ……まぁいいか。
    「ただいま」
    「あ、チルおかえり!今日はうどんだよ。天ぷらか釜玉にする?」
    「へぇうどんか……普通にかけうどんで食いてぇな」
    「ん、分かった!」
    「お前は何うどんにするんだ?」
    チーズケーキに気づいて……ねぇなこれ。
    どうやらずっとうどんが食べたくて、しょうがなかったらしい。
    昼から仕込んで待ってたんだと……。
    「えーと……明太釜玉に、チーズも入れたいかな?」
    「思ったよりガッツリ食うな」
    フェイクで買ってきた缶ビールを入れるついでに、チーズケーキも隠し入れた。
    スーツは着替えて、打ち立てのうどんと一から仕込んだ出汁を楽しんで……。
    寝る前にライオスは俺に明日も仕事だっけ……?心配そうに聞いてきた。
    マスターの店で、貸切パーティをするらしいが……俺は直前まで行けるか難しいと伝えているし。
    来ないかもしれないと諦めているのだろう。
    「昼休みに抜け出せたら、顔出しに行く……早めに帰るからな」
    「うん、分かった。おやすみチル……」
    「あぁお休み」
    ライオスが寝入ったのを確認して、俺は目覚ましを切った。
    いつもライオスが使うやつは、特製のやつで少しの音で目を覚ます……が明日は寝過ごしてもらう事にしよう。
    「多分起き抜けはビビると思うが……許してくれよ。ライオス」
    ぷぅぷぅ寝息を立てるライオスの頭を撫でて、起き上がると俺は準備に取り掛かった。
    多分寝ちまったら、確実に先に起きるに違いないし、このまま徹夜してしまおうと先に決めていた。
    物音を立てたらライオスが、起きてくる可能性はあるが……。
    仕事をしてるからって、ごまかしはきくし……多分バレはしない。
    パーティでたらふく食ってくる事を想定して、軽めに食えるもんを作るか。
    「……サンドイッチにするか?余ったら自分で食えばいいからな」
    サラダも準備して、眠くなる……がガマンしてコーヒーを飲んで耐えた。
    「仕事してりゃ、朝になんだろ……」
    書斎に籠り仕事を片付ける事にした。

    ライオス視点

    「ん……え?うわ、うわぁあああっ!」
    いつものアラーム音がしなくて、いっぱい寝たと思って時計を見て……驚愕した。
    お、お弁当もそうだし朝ごはんが!チルの朝ごはんが何も用意出来てないっ!
    急いで用意しないと……ええと、ええと!
    何ならすぐ出来るか、お弁当は最悪外で買ってもらうしかないかもしれない……!
    というかチルが見当たらないんだけどもしかして、先に起きてるのか……?
    「チルおは、よ――あれ?」
    「ぷ、はは――は、悪い……アラーム消したの俺なんだ。誕生日おめでとうライオス」
    チルは慌てたパジャマ姿の俺を見て笑いながら、テーブルまで案内してくれた。
    テーブルの上には色とりどりのサラダに、サンドイッチに真ん中にはジャムが添えられたチーズケーキが飾り付けられていた。
    「わ、わわっ……え、えと――え?」
    何が起きたのか分からなくて困惑していたが、どうやら全部チルが用意してくれたみたいだ。
    「ぜ、全部君が作ったの?」
    「あぁ……ケーキは昨日から仕込んでてな?仕事休んでたんだ。嘘ついてごめんな」
    「それは、大丈夫だけど……全然気づかなかった」
    「バレるかヒヤヒヤしたんだけどな?あ、昼に店でパーティやるんだろ?残していいからな」
    そんな……全部チルが作ってくれたのに、残すなんて勿体ない事出来やしないっ!
    全部食べていいのか聞くと、誕生日なんだから好きにしていいぜって頭を撫でられてしまった。
    「わ……わわ!ケーキも、俺が好きなチーズケーキだ!」
    まずサラダから食べるべきなのか、あぁでもメインのサンドイッチから食べたいし、それにケーキも全部いっぺんに食べたい……。
    うぅっ!悩んでしまって何から食べたらいいのか、戸惑ってしまう。
    「ライオスそんな慌てんな。ゆっくり食っていいんだぜ?」
    チルはそんな俺を見て微笑ましく笑いかけて、噎せそうになったらお茶を持ってきてくれた。
    「ん、んぐっ……ありがとう」
    ケーキもジャムもサラダも、サンドイッチも!
    全部何を食べてもおいしい……!
    飛び起きた時は、初めて寝坊しちゃったって驚いたけど。
    仕事だと思ったチルが居るし、チルが俺のためにこんなに準備してくれたのが嬉しくて愛おしくてたまらなくなって……。
    一通り食べ終わると洗い物をしていたチルに、後ろから抱き着いた。
    「おっと……もう食ったのか?」
    お皿を洗っていた手を止めて振り向いたチルは、俺の頭を撫でて目線を落としてくれる。
    「ん、いっぱいありがとう……チル」
    「こちらこそ。いつもありがとうなライオス」
    抱えられて目が合って、いつもならチルからキスしてくれるのに……何もされなくて。
    自分からした方がいいのか考えていたら……軽く唇を合わせて掠めた。
    「う……チルのいじわる」
    「あんますると、パーティに遅刻するし。バレるだろ?」
    それでもいいならしてやるけど?
    ニヤリといつもの悪い顔になったチルに、俺は嫌な予感がして思わず抵抗したが……腰に回された手が緩む事はなかった。

    おしまい
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