【エー監♀】薔薇の王国の港町で遊んだ帰り道、駅につながる空中通路から見えたのは、フェリー乗り場に隣接した赤い観覧車。
「ねえエース」
「オーケー行くか」
「わたしまだ何にも言ってないよ」
「乗りたいんだろ」
なんで分かるのかな?エースってわたしよりわたしのことに詳しい。
「顔に書いてあんだよ」
絶対そんなわけないんだけど、笑顔のエースにほっぺをむにむにされると、突っ込む気持ちもなくなってしまう。そうかなあ?そうなのかも。でもさ、だとしたらわたしっていっつも顔に「わたしは常にエースにめろめろです」って表示されてるってこと?いや〜さすがに恥ずかしいかも。
「ホントのことじゃん」
だからなんにも言ってないのに!
エースをちょっとはたいて小走りに先を行く。ちら、と振り向いたら大人げないエースが凄まじい速度で走ってきて瞬く間に追いつかれた。
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