優しい音がする。
波の音だろうか、それにしては暖かでそのまま眠りに落ちそうだ
瞼を開けるのが億劫になる程に心地よい音が流れる中私は仰向けのまま身を預けただ寝ている
「こ…から…………は………………なる」
意識はそこで完全に途絶えた
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全身に流れる激痛に呻き目を覚ました
口元からは血液が流れ地に少量の水たまりが出来ているのが見えた
ごほ、ごほ、と咳き込むと空気が頭の中を循環し少しずつだが視界がハッキリとし意識がクリアになっていくのが分かった。
まだ全身は上手く動かせないので目だけをぎょろぎょろと動かして見ると辺りは岩と砂が混じった様な地平が広がっており私以外の生物は見当たらない。上の方に目をやると遥か先に空が見えここは地上よりも地下だと言う事に気付く
そこでようやくこの場所が何処だか思い出した
身をたじろぎゆっくりと上体を起こし座り込む形まで持っていく。少しずつだが動かせる様になってきたようだ。それと同時に記憶も戻って来た
「………………どうして」
どうして私はまだ生きているんだろう
そんな疑問が頭を埋めつくしている