10年付き合って結婚するまでのリョ三 その②後編 式場ロビーに入り中を見渡すと、開始時間が迫っているせいか中にあるベンチはどうやらどこも埋まっているようで、仕方なく玄関前に設置されていたベンチに三井を座らせる。
「ま、ここでいっか、もうすぐ始まるだろうし。寒くない?」
と、俯く三井を覗き込むと、おー、と一言だけ曖昧な声が返ってくる。宮城は出欠確認のために受付まで二人分の祝儀袋を提出してから戻ってくると、三井の隣には座らず、三井の膝の間に片膝をつき、車内で寝たせいで少し乱れてしまった髪を下から直してやる。
「二人とも!久し振りだな!」
ふと聞こえてきた懐かしい声に宮城が顔を上げると、高校時代のバスケ部のメンバー達を引き連れた木暮が二人に向かって手を挙げていた。
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