タケ道 元気にしているだろうか、ウェスタンブーツを脱ぎ捨てながら思う。
アイドルとしてのレッスンと店の営業も終え帰宅し、靴を脱ぎ捨てた時にふと思いを馳せた。
タケルは主演映画の撮影で師匠と共に地方へと出張をしていて、自分も同じユニットメンバーの漣も─漣は雑誌やファッション誌の撮影が面倒だと先程まで店のカウンターで文句を垂れていた─何だかタケルと会っていなくて物足りなさを感じている。
長期の撮影とは聞いていたが、タケルや師匠から聞いていた日程より伸びていて、事務の山村さんがスケジュール調整の為に各方々に連絡をしていた姿を思い出す。
最初は特に物足りなさや、寂しさなんて言うのは感じていなかった。何故かと言えば、出張へ向かった日も次の日も、その次の日も、結構な頻度でタケルはグループLINKや自分個人宛にメッセージを送って来ていたからだ。
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