タイミングが悪かった。それだけだ。
グラスは誰に対しても優しい。狂気的なほどに。たとえそれがSCPだったとしても、彼は手を差し伸べる。財団でこんなことができるのは彼だけで、だからこそ彼にしかできない仕事は山積みだった。職員のメンタルケア、人型SCPとの面談、収容違反の対処、書類作成。あ、グラス博士、この前の収容違反で同僚の気が滅入っちゃったみたいで……。グラス博士、この前貴方が担当していたSCPがもう一度貴方と話したいと……。すみませんグラス博士、少し相談したいことが
「グラス、暇だから遊びにきてやったぞ〜!」
つまり、疲れていたのだ。
「なぁグラス、いいことを思いついたんだ。682についてなんだが…」
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