「誕生日。」
「はい・・?」
「来週はお前の誕生日だろう。この僕が特別にお前の欲しいものをくれてやると言っているんだ。」
「滅相もございません。私めが貴重な坊っちゃまの手を煩わせることなど、言語道断ですから。」
「忠成。」
東夏が足元に跪く忠成の顔をその足先で上げさせる。半強制的に視線を合わせることになった忠成は、主人の宝石のような瞳に吸い寄せられるように息を詰めた。この瞳に見つめられてしまうと、自分の形どころか心の奥の奥の欲望まで全てが見透かされているような気持ちになってしまって駄目だった。
「っ・・!」
「同じことを何度も言わすな。何が欲しい?言ってみろ。」
「は、はいっ・・!この私めに躾を頂戴したく・・」
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