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    さいとう

    イトアキの進捗とか勢いで書いたものとか
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    さいとう

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    イトアキ本しんちょく
    13000 まだプロット おわってない
    これは出だし
    ※書き殴り状態のやつです

    一時的に耳がちょっと聞こえなくなるライトさんのところにアキラくんがくる話


    ホロウで爆発を連続で浴びたあとから音が聞こえづらい。医者の見立てではおそらく五日もたてば治ると言われる。徐々によくなるからずっとこうというわけでもないらしい。
    それならなんとかなるだろと気楽に考えていたが、すこし楽観し過ぎたようだ。まずバーニスの高い音が一番聞き取れない。何か音がするとかろうじてわかる程度だ。対してパイパーやシーザーはまだ音が聞こえる。ルーシーも、冷静であればまぁわかる。
    「……」
     そう、"音"がわかるだけだ。"声"としてはききとれない。医者もその点は匙を投げた。郊外に住んでいるわりには腕のいい部類だと思うが、わからんと、ただ調べてみるとも言っていた。
    まぁつまり、ライトの今の症状はなかなか面倒だった。

    必要なやり取りはすべてチャットですることにしたが、日頃どれだけ耳を頼りにしていたのかがよくわかる。気配でひとの位置や動作は拾えても、圧倒的に情報が足りない。
    そもそもこれは何の音だ。風の音なのか。砂が舞う音なのか。常に耳に何かが吹き付けられているようで不快だ。
    顕著なのは夜だった。娯楽のない郊外の夜は、酔っ払いやならず者がいなければひどく静かだ。だから、よけいに、つきまとう音が響く。
    まさかこれぐらいのことで、まったく眠れなくなるとは思わなかった。

    2日目に、アキラがくる。
    「………なんで」
    聞こえないせいで自分も話すのをやめていたのについ声が出た。アキラはすこし心配そうな顔をして隣にくる。取り出したスマホに打ったメッセージを見せられた。
    『別件で話してたらシーザーが教えてくれたんだ。本当は朝にはくる予定だったんだけれど、用事を済ませていたらこの時間になってしまった』
    「…………、アキラ」
    「うん なんだい ライトさん」
    じっと見つめて、ほんの近くでなぞられた名前は、口の動きで聞こえなくともわかった。そのことに少しほっとする。
    「あんた、…しごと、」
     自分が話せているのかどうかがわからず顔を顰めてしまった。
    『依頼なら心配いらない。ビデオ屋のほうはリンがいるから。一応、僕がいない間はニコ達にも様子を見てくれるよう頼んだ。だから、そうだな、7日は確実にここにいられる』
    慣れた手つきで文字を打ち込むのを隣から眺めるのはやはり変な気分だ。
    『心配いらん。五日もたてば治るってことだ』
    しかたなく、自分もスマホを出して指を滑らせた。
    『あんたは戻って、』
    『ライトさん』
    打っている最中に、ぽこ、と通知がきた。
    顔を上げれば、アキラが困ったような顔をしている。
    『僕がいるほうがあなたが休めないなら、帰るよ』
    『…んなことは言ってない』
    『なら、そばにいたいんだけれど…。だめかい?』
    『…………』
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    さいとう

    MAIKINGイトアキ
    1.5衣装のアキラくんがカジノのディーラーしてるところにライトさんがくる話 の2個目
    カジノがあるのはホテルの7階で、フロアを隅から隅まで使って展開していた。アキラはライトを改めて誘ってエレベーターへ向かう。カジノ専用になっていて、二階のロビーかさらに上階のレストランフロアにしか行けないものだ。
    「あんた、仕事抜けたのか?」「いや、上がったんだよ。もともと僕の契約は二十時までなんだ」
    いまは二十一時になろうという頃合いだった。ライトがゆるりと眉を上げる。「あなたとのゲームが楽しくてね。あ、残業も付くから安心してくれ」「…つまり、時間を忘れて楽しんでた、ってことか?」「ふ、そうなるね」「そりゃ嬉しいもんだ。俺も楽しかったからな」「それは、うん、あなた本当に楽しそうだった」
    エレベーターが止まった。十一階のフロアにはレストランが二軒と、バーが一軒ある。どれもパノラマ展望が売りで、もちろん味も良い。「料理の好みは?」「なんでも食うが、強いていうなら味は濃いほうがいいな」「お酒は飲まないんだったね。ならこっちにしようか」「ん、あんたに任せる」選んだ店に入りカードを見せた。カジノのスタッフだとわかると、店員があらかじめ押さえておいた席に案内してくれる。夜景が見られるテーブル席だ。ライトがちらりと外を見ている。高いところも大丈夫そうでよかったとその横顔に思った。細められた目は楽しそうだ。
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