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    あーや

    @puruaya

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    ぶぜまつのらく描きとらく書き

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    江が馬刺しを食べるだけの短い話。ぶぜまつ前提。

    ##ぶぜまつ

     松井は肉を好んで食べる。その中でも馬刺しは格別だった。鋭い八重歯は肉を噛み切るのに都合が良かった。一枚、また一枚。優雅な箸づかいで、皿に盛られた赤いものを勢いよく平らげていく。
     そんな松井を横目に、桑名は自分の皿に盛られた肉に箸をつけられないでいた。初めて馬に乗った時のことを思い出す。愛らしい、と思わず口にした、あの時の馬の姿を思い出していた。
     豊前は自分用に盛られた肉をひょいひょいと松井の皿に乗せ換えている。豊前も馬が好きだから、その肉を食べるなんてできないんだ。桑名は視線だけで豊前に同意を求めた。前髪で隠れているので意図は伝わらない。豊前は桑名の手つかずの肉のほうに気づいた。
    「食わねーのか?なら貰うぞ」
     返答する間もなく、豊前は桑名の馬肉を皿ごとぶん取った。ひょいと一枚口に入れる。
    「おっ!こりゃうめーな!」
    「でしょ、だから僕のことは気にせず豊前も食べて」
     松井がもらった肉を豊前に返却しようとするが、桑名から巻き上げた肉の半分を、豊前が松井の皿に移し替えるほうが疾かった。
    「遠慮すんなって。俺はこんくらいあったら十分だし。うまそうに食べてる松井の顔見てるほうが楽しいし」
    「豊前…………じゃあ、遠慮なくいただくね」
     桑名からぶんどった肉なのに、あたかも自分のものを分け与えるような顔で松井のポイントを稼いでいる。
    「桑名さん、もしよろしければこれを食べてください」
     篭手切が、二枚だけ肉が残った皿を差し出してくれたが、桑名は丁寧に遠慮した。
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