休息の地時は丑三つ時。ザァと窓を叩く雨音で目が覚める。
喉の乾きを覚え、キッチンへと向かう。リビングにはカウチの上で小さく毛布に[[rb:包 > くる]]まる一つの塊。
カウチは人一人十分な広さで寝ることができるはずなのに、その塊はカウチの隅で体育座りをしており、よく聞けばすぅすぅという寝息が聞こえる。
この体勢では体が休まらないだろうと揺すり起こすために手を伸ばす。
彼の体に触れる前、音は出していない筈なのに塊の中の住人は何かを感じたのかビクリと体を揺らし、紅い瞳をパッと開いた。まるで何かに怯えているように見えた。
「……」
「…っ!…アルハイゼンか。どうしたんだ」
「喉が渇いたから水を取りに来た」
「そうか」
2536