Boys dirty talk of love「こんにちは、今時間ある?」
かけられた声におや?と見上げる。大きな影、気配がほとんどしなかったが、ちょっと邪魔だな、と思う程度には大きな身体だ。
そばかすのたくさん散った頬ではにかむように笑う彼には見覚えがある。同級生で、確か同じように今期からの転入生だ。いくつかの教科で一緒だったはずだ。
「やあ、ドノヴァン」
「D.Dでいいよ、ディーでもいい。みんなそう呼ぶよ」
すぐに人好きのする笑みを浮かべてアルバートはうん、と答えた。いつものゴーグルをしていたので、せっかくの人好きのするそれが見えたのかはわからない。
「あのね、おりいって君に話があるんだ」
「なに?」
「ええと、うん、ええとね」
もじもじと手袋の指先を擦り合わせるのに、ここじゃ言いにくいのかな、と首を傾げた。
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