酒呑童子と幼い茨木童子暗い暗い夜。
廃れた貴族の部屋に大人と子供が居た。
大人は赤い髪の毛をまとい酒を呑んでいる。子供は白い髪の毛をまとい、大人のあぐらの上で戯れていた。
「なあ、ガキ」
「ガキは名前じゃない」
ぷぅと頬を膨れる子供は額に小さい角がチラチラと見える。
「鬼というのは人間から妖怪になってしまうことだ」
「知っているが」
そうだなと笑う。(俺もお前も人間から鬼になったからな。)
「まあ聞けよ。普通は妖怪になったら姿はあまり変わらん」
「じゃあ、そのままなのか?」
「普通はな。だが、強くなれば人間のように成長して変わっていくさ。ガキが強くなったら大きくなるぞ」
「人間のように・・・じゃあ、あんたはもっともっと強くなったらジジイになるのか?」
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