龍 梅宮一は龍である。
これは伝承だとか、人外だとか、そういうことではない。イメージの話だ。
その話の前に少し俺の日課の話をしよう。俺は毎日、梅宮一の動作確認をする。朝一番に土いじりをしたがるアイツは、大抵いつも屋上に居る。そこには大抵杉下も居るので、俺は二人に挨拶をして、梅宮に「元気か」と聞く。ただの挨拶の+アルファのように思うことだろう。これが重要なのだ。
まず梅宮一は、「元気じゃない」とは言わない。必ず無理をする。そしてそれを悟らせない。いつだってアイツは自分を後回しにする。これは英雄的自己犠牲などではない。自傷だ。そういう強迫観念と言い換えても良いだろう。そうなったキッカケなどは俺の知ったことではないが、出会う前のことであるのは確かだ。アイツは出会った頃からそうだった。手を傷だらけにして、己が理想を力技で成し遂げた。
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