嘘告白?📱🎈「好きだ、フサ、、、付き合ってくれるか?」
「、、、うん、俺も好き」
放課後の学校裏なんてベタな所で呼び出して彼なりの告白をした幼なじみで家が隣同士のマリキンの言葉を受け止めたフサキン
けれどフサキンは分かっていた
(マリちゃんと付き合えるなら、、、嘘でも良いよ、マリちゃん)
スポーツはそつなくこなせて勉強はそこそこだけれど持ち前のスキルで周りに人が居てそれなりにモテるマリキン、クラスでも人気者なマリキン、同じ美術部だけど何度も賞を取った事がある部長のマリキン
そんなマリキンからの告白だけれどそれは嘘の告白である事をフサキンは知っていた
「はい、マリキンがビリッケツー」
「はっ、そうかよ」
とある放課後の教室、フサキンが教室に忘れた画材を取りに来た時聞こえてきた会話
それはクラスで余り良い噂を聞かない男子生徒達とマリキンの声だ
その声にフサキンは隠れたのだがこれが功を奏したのは間違いない
机にはトランプがあって何かのボードゲームをしていたのは確実だった
(あれ、可笑しいな?
マリちゃんボードゲーム結構上手い方なのに)
自分と友達のシュミタロウとやっていた時も戦績はマリキンの方が上だった様なと思っていると
「罰ゲームはそうだなぁ、、、嘘告白してこいよ!」
「、、、は?」
「っ」
「相手は誰でも良いから其奴に嘘の告白してマジになった所ネタばらししろよ!
ぜってー面白いって!」
そんな事を言ったクラスメイトに賛同する様にマリキン以外の男子生徒はそうだそうだとゲラゲラと汚らしく笑っている、その様子を見ていたフサキンは最低と思ってマリキンを見たのだがその表現はどうなっているのか分からなかった
(彼奴等、、、マリちゃんは、そんな事しないよね?)
フサキンはマリキンを幼少の時から良く知っていた、悪ガキだけれど曲がった事は嫌いでフサキンに優しかったマリキン
「ふぇ、、、こわいよぉ」
「フサ!」
「っ、マリちゃ、、、」
「良かった、此処に居た」
子供の頃マリキンやその友達と虫取りに山に出掛けてはぐれてしまい薄暗い山の中で泣きながらジッとしていた所に迎えに来てくれたマリキンはフサキンにとって王子様だった
「ぐすっ、、、ごめんねマリちゃん」
「気にすんな、もしフサが怒られるってんなら俺も一緒に怒られるから
フサは、、、俺が守るからな」
そう言ってフサキンの手をしっかりと握る擦り傷だらけの体のマリキン、きっとあっちこっち探してくれていたんだとフサキンは繋げられた手と頬が熱くなるのを感じたのだった
(でも、、、そっか
マリちゃんは優しいな)
浮きまくっているクラスメイトと波風立てず嘘告白なんてものをされて本気になって悲しませてしまう人を出さない様に昔からの幼なじみと言う絶妙なラインの自分を選択したマリキン、けれどフサキンはそんなマリキンの事が昔からずっと好きなのだ
(嘘でも良い、マリちゃんの恋沼になれるなら)
「、、、そっか
ありがとうな、フサ」
「良いの、だって俺ずっとマリちゃんの事好きだったから」
「、、、俺も、昔からずっとフサが好きだったんだ
これからフサは、、、俺のもの、だからな」
嘘だと分かっているのにフサキンの手を取ってその掌に口付けたマリキンにフサキンは胸が高鳴るのを感じた