在る雪の日に「うわぁ……」
「ひでぇな」
職場を出るなり二人はその光景に圧倒された。パラパラと雨が降っていたところまでは知っていたが、会議で引きこもっているうちに雪へと変わったようだ。道路一面が白く塗り替えられ、街ゆく人が足を取られぬよう慎重に歩いている。
びゅうと冷たい風が二人の肌に刺さる。
「寒っ!」
ハンジが肩を上げてぶるっと震えた。袖を伸ばして両手をしまいこんでいる。
「お前、雪が降ったら誰よりも早く外に出てなかったか」
「それ学生の頃の話だろ。今はもう寒さが辛い……」
「大人になったって事だな……クソっ」
スマホを操作していたリヴァイが顔を顰めた。
「どうしたの?」
「電車が止まってる」
リヴァイはスマホの画面をハンジに向けた。『○○線は大雪の影響で全線終日運休』と表示されている。
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