どすくんの愛の形(メインネタバレ有)昨日、Discordの通話にて「愛」とは何かの話になった。
アナドスRの提示し続けるテーマでもある、愛。
しかし愛とは、何か? 一人の人間を追い求めることなのか? 貞操を守ることか? 不貞は純愛?
人によって定義は様々だ。絶対の定義などは存在しない。しかし、その上であなどす君が提示するそれを改めて、考察してみようと考えた。
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<「色欲」と「愛」>
そもそも通話での話題の切っ掛けはアズモンドだったと記憶する(間違ってたらすまぬ)
出会って5秒で×××! ちょっといいかも……じゃなかった。
(そういえばアズモンドといえばあのどえっちな山羊の意匠だが、やはり山羊のパーン(Αιγίπαν)が元ネタだろうか。自然との調和、野性的な活力、音楽と踊りを愛し、彼の持つパンフルートの語源ともなっている)
3章、アズモンドの繁茂の力に圧されたバルボロスが『愛と色欲の差異を示す』と発言したが、それは何故か。
願い——祈りと言い換えてもよいが、それはあらゆる人間の根幹を為す行為だ。Wikipediaのコピペになってしまうが、定義は以下の通りである。
『世界の安寧や、他者への想いを願い込めること。利他の精神。自分の中の神と繋がること。神など神格化されたものに対して、何かの実現を願うこと。』
ここでポイントになるのが、原則として他者、外界への行為であるということだ。
『狩り、祝祭、葬送——』とバルボロスが言ったように、人間の歴史は願いの連続だ。生存、豊穣、再生(または安寧)という人知の及ばぬモノへの畏敬を、形にし人間は歩みを進めてきた。
そのなかでも、他者への理解というものは特別である。それは「相手も同じようにこちらを見ている」点であろう。
世界は我々を特別視しない。だからこそ神は絶対であり、それを試すことは許されない。
しかし他者は違う。お互いを見やり、受け入れ、拒絶し、時には身体を重ね、「相互を理解」し得る。
ここに、「愛」の本質が隠されているのではないか。
愛とは、自らの心に従い、他者を理解しようとする姿勢そのものなのだ。
バルボロスはこの点を主張したかったのだろう。
旧き時代の竜王は、絶対であり永遠の象徴として君臨していた。畏れられ、あるいは愛されたとしても、それは雄大な自然に対する畏敬の念に近い。ゆえに、愛を知る由がなかった。必要もなければ、必然性もないからだ。
しかし、ガイアの登場によってすべてが変わる。ガイアが竜、獣人、キマイラ、人間、どんなモノであろうと、バルボロスはそれを愛そうとする。それは綺麗事ではなく、真実なのだと気づいたからだ。
対照的に、アズモンドは真実の愛に辿り着けなかった。彼は「みんな仲良く」という結果を、×××という手段を用いて強引に引き寄せようとした。もしくは、×××そのものを目的化してしまった。魔王の力を持つアズモンドにとって、これは無理からぬことかもしれない。
だからこそ、彼らは敗北を知り前に進む。素敵♡ いっぱいちゅき♡
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<「純愛」は「愛」と違う?>
Wikipediaよりコピペ。
『邪心のない、ひたむきな愛。純愛の定義としては、他に「その人のためなら自分の命を犠牲にしてもかまわないというような愛」「肉体関係を伴わない愛(プラトニック・ラブ)」「見返りを求めない愛(無償の愛)」などがある。』
間違っていたら申し訳ないが、純愛のヒントは作中でぼかされている気がする。形が多すぎるのだ。そのため、ここでは私見が多くなることに留意して頂きたい。
まず純愛という言葉のイメージを考えてみよう。
「甘酸っぱい、安心、絆、幸福、永遠、内面、一途、特別、真摯、いちゃこら、キス」
徐々にえっちになった。ともかく、穏やかなポジティブイメージが先行するのではないか。
特に「一途」というのがフォーカスされる傾向にあると思われる。正月イベント、バレンタインイベントは正にそれだ。汚されようが、誰と交わろうが、心に決めた思い人がいる。その人に笑っていてもらうのが第一。
したがって、純愛においては、愛する相手の数の多寡ではなく、その想いが揺るぎないかどうかが重要なポイントになるだろう。この一途な気持ちを裏切らない限り、それを純愛と定義することができるのではないか。
ここで竜王様のありがたいお言葉。
『お前がたとえゴリラ魔王の汗と×××でもみくちゃになっても……! 『それでもバルちゃんが好き』って言ってほしいのだ。んほおお!』
この台詞は、純愛の本質を突いているように感じられる。
以上を踏まえると、「純愛」と「愛」の関係性について、私なりの結論を述べるとすれば、両者に優劣はなく、むしろ愛というカテゴリの中に純愛が含まれている、といった捉え方ができるだろう。
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まとまりきらなかったけど、私がアナドスRの好きなところは「色んな愛を提示する」ところなので、これからもそれを続けていってほしいです。