ノイ響 妊娠話響と結婚して間もない日のこと
響の様子がおかしい
周りの雑音を全て拾い上げるほど耳が良いノイズは、その日から響の音だけを耳を傾けある変化に気がつく
ノイズ「あの響が食欲がないだと…!?」
食後デザートを食した後、更に菓子まで口にしていた響が?
何処か調子が悪いのだろうか
そう思いつつ1ヶ月気づかれぬよう監視してみたが食欲以外変わったことなど無かった
いくら何でも心配しすぎたのだろうか
響「ねぇ、難しい顔して何考えてるの?」
買い物から帰ってきた響
激しい運動はしていないはずなのに心臓の音が不規則だ
心配になったノイズは響を抱きしめ、本音を漏らす
ノイズ「響、最近体調が悪いのでは?」
響「え」
ノイズ「ここのところお前全然食べてないだろ、それにお前の音が不規則というか不安定に聴こえるぞ、私でよければ話してみろ」
そういうと響は目を丸くし、一瞬目を逸らしながらノイズに訳を話し出す
響「あれがね…こなくなっちゃったの」
ノイズ「あれ?」
響「もぉー!あれっていうのは…お、女の子の日…」
ノイズ「なんだそれは?」
響「うっ…生理だよ、ほら2ヶ月くらい前の夜、ノイズが私のこと…」
たくさん愛してくれたじゃない
ノイズ「まさか…お前…」
ノイズは咄嗟に響の腹部に耳をあてる
何故今まで気が付かなかったのだろう
不規則な音の正体
食欲がない響
響「おめでとう、私たちパパとママになれるんだよ」
ノイズ「響!!!」
ノイズは涙を流し、響はそんな彼を優しく抱擁する
ひとりぼっちで寂しい人生のまま終わりとばかり考えていたノイズ
響と出会い、結ばれ宿った命を前にノイズは生まれて初めて生きてて良かったと実感する
響「これからも頑張ろう」
ノイズ「あぁ…一緒にな」
互いを愛おしく思う気持ちに共鳴したのか、響の体内で育つ命がトクトクと激しく脈動する
愛の揺りかごの中で鳥と人が合わせ持つ形の胎児が早く早くと両親に抱かれる日を待ち望みながら静かに眠るのであった