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    千葉県の伝統工芸品(横浜住み)

    @rainycandy_aaam

    廃墟

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    POIPOI 3

    第2弾です。今度はメルさんです。
    また突然始まって突然終わります。

    「一緒に死んで」って言われた三公の話2◆メルヒオールの場合
    「残念だけどそれは無理だね」
    即答だった。しかも笑顔で。食い気味に。まだセリフ言い切ってない。彼の性格からして断られるだろうという事は分かっていたが、こうもきっぱりと拒否されるといっそ清々しい。
    「……どうして?」
    「生憎、私は転生とか死後の世界とか、そういう不確定なものは信用していないんだ。死んだらそれで終わりさ。……こんな話を持ち掛けるのだから、君は今かなり辛い事情を抱えているんだろう。でも」
    そう言って彼は私の両手を優しく握り、私の目を見た。いつもと違う真剣な眼差しで見つめられ、頬が熱くなる。
    「でも、死なんて曖昧なものに縋らなくたって、ここにある確実な愛に希望を持つ方が、遥かに楽しいと思わないかい?君の時間はどうせ限られている。それを今すぐ終わらせてしまうのはあまりに勿体無い。私はその中で、君と一緒にいる時間を少しでも長くしたいんだ」
    そう言うと彼は悪戯っぽく笑い、私の額に軽くキスを落とした。
    「……ありがとう」
    「礼には及ばないよ。もう夜も遅い。今夜は泊まって行きなさい」
    彼は私の頭をそっと撫でた。その手は柔らかく、なのにとても頼もしく感じた。
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    Replies from the creator

    千葉県の伝統工芸品(横浜住み)

    DOODLEグラス君の夢小説です。擬人化です。
    闇深いかもしれない夢主が出てきます。
    駄文です。突然始まって突然終わります。
    「一緒に死んで」って言われた三公の話1(仮題)◆グラスの場合
    「…………は?」
    隣に座る彼は、何を言われたのか理解できないといった風にこちらを見ている。
    当然といえば当然だ。恋人から突然「一緒に死んでくれ」と言われたら、誰だって戸惑うだろう。でも、聞かずにはいられなかった。
    ふと彼の顔を見ると、その顔は涙で濡れていた。
    「ど、どうしたの?」
    「……わかんねぇ……なんだ、これ……?」
    彼はただ静かに涙を流している。やがて固まっていた表情は歪み、流れる水に映った満月のように滲んだ瞳でこちらを見た。
    「なぁ、今の、なんかの冗談だろ?いきなり、心中してくれ、なんて…」
    「……それは、」
    「こんな、こんな事言ったらさ、ガキくせぇって思われるかも知んねぇけど…俺、お前が死ぬってこと想像しちまって、俺もそのまま死ぬってことも……そしたら、急に怖くなっちまった。なぁ、幾らお前と一緒っつったって、俺死にたくねぇわ。お前と行ってねぇ場所とか食ってねぇ物とか、まだいっぱいあるんだ。死ぬなんて…言うなよ……」
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