剣「剣を打ち直して欲しい」
そういって差し出された「大剣」を一目見て、中年ゼーヴォルフの店主は思わず眉根にシワを寄せた。
フードでよく見えないが、見るからに小柄なララフェル族の客に合っていない。
まず柄が太すぎる。もちろん好みは千差万別だが、こんなに太くては小さな手でしっかり掴むことができない。
剣先についた泥汚れは、地面を引きずって持ってきたせいだろう。当然だ、刃渡りだけでゆうに客の頭を越えるのだから。
持ってみればずっしりと重い。そのアダマンの刃は身幅も厚みも太めで、わざと重くされているようだ。
しっかりと細かい傷だらけで、使用感の残る『これ』を、本当にこの小さな客が使っていたのだろうか?
まさかそんなはずはない。文字通り手に余るはずだ。
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