『成長痛が酷い燈矢くんがMr.に膝を撫でてもらう話』眠い。痛い。ねむい。ここ最近、成長痛がひどくてまともに寝られた試しがない。
今日は珍しく仕事が入っていなかったMr.と夕食を食べたあと、気晴らしの散歩から帰ってくれば、Mr.はすでに自室に引き上げていた。
せめて顔が隠せるように。そうMr.が譲ってくれた帽子をテーブルに載せる。未発達のこの体では成人男性の帽子は大きく、多少不恰好な姿にはなったが、顔を隠すという目的のためなら及第点だろう。
時折、車の走行音が響くだけの部屋は耳が痛くなるほど静かで。あのやかましい男がいないだけで、こうも閑散とした空気が漂うのかと不思議に思う。
Mr.の住むボロアパートはその名の通り、ボロい上家賃も格安だからあまり部屋数はない。
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