パーペチュアルチェックの終わりは呆気なく 「隊長、チェスできるんですか?」
「すごい上手い奴がいるんだ。そいつに教えてもらった。勝てたのは一回ポッキリだけどな」
***
「チェス、しませんか?」
ピアーズが唐突にそう問いかけてきた。
空がすっかり夜の帳を降ろした頃、暖色の光が照らすリビングのソファーに腰掛け微睡んでいた時のことだった。どうやら以前の休暇で実家に帰省した時にチェスを見つけたらしい。ピアーズ の大きくたくましい手に掴まれているチェス盤は所々傷ができており、年季を感じる。
「俺は、遠慮するよ。そういう頭を使うものは苦手なんだ。それにルールもよく分からない」
「大丈夫です。俺が教えますから。とりあえず一回やってみましょうよ。ね、いいでしょう?クリス」
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