逆バニー族の炎ホ〜前日譚〜ここは逆バニー族の住む集落。
強い雄達は狩に出かけ、他の者たちは木の実等を採取しながら生活を営んでいた。
「やっぱり手ん届く範囲はもう採られてしもうとる」
見上げても近くに果実はなく、辛うじて高いところに成っている程度だ。秋も深くなってきておりそもそもの数も少なくなってきている。集落から離れた場所ならばもう少し残っているのだろうが、齢十にもならない少年には森はまだまだ危険だ。
「でも、持って帰らんと今日食べられるもんもなかし……」
仕方がない、と周りに誰もいないことを確認して背中に生えた羽根を一枚ずつ器用に操作し、高い位置にある実をもぎる。子供の逆バニー族は裾の長いスモッグのような服を与えられており、その裾部分を広げて振ってくる果実を受け止める。
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