仲良くないひむしょとセッ部屋0.
十年とちょっと過ぎた頃、レンズ交換のためにT村を訪れた氷室が見たものは、あの村にはそぐわない最新設備を有した謎の新館だった。(尚、15年はちょっとではないと一人にバチクソ怒られた。)
「親切な方から頂いた」
「は?」
世間知らずにも程がある親友は、近所のおばあちゃんから柿をもらったよみたいなノリで、この数十億しそうな施設を無償で建てて貰ったと笑う。
「体でも売ったのか!?」
一人は美しくかっこいい。惚れてしまった金持ちが、一人のことを狙って返品不可能な贈り物を押し付け、今後迫るのかもしれない。危険過ぎる。
「何を言っているんだ俊介。朝倉さん曰く、善意の寄付、だそうだ」
「善意とか自分で言ってる奴が一番やべぇんだよ」
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