上がり続ける愛おしさ❄️「準備はできたか?」
🌹「うん、できた……よ……」
❄️「なんだ?何か変か?」
花火大会に行こうと言い出したのは音也だった。てっきりワンピースか何かで行くと思っていたレンは浴衣姿の真美に思わず口元に手を当てる。
🌹「いや、変じゃないけど……」
❄️「浴衣姿など部屋で何度も見ているだろう?」
違う、そうじゃないとレンは心の中で突っ込んだ。普段の浴衣は無地のシンプルなもの。しかし、今着ているのは青い花が描かれている。控えめすぎず華美すぎずな色合いとデザインは真美の魅力をより引き出して、正直目のやり場に困る。
❄️「そろそろでないと集合時間に遅れるぞ」
🌹「あーうん……」
❄️「まだ何かあるのか?」
🌹「行かなきゃダメ?」
正直、メンバーにだってこの真美の姿を見せたくないというのがレンの本音だ。
❄️「約束しているのだから当たり前だろう」
そんなことを言いながらワクワクしている様子の真美にこれ以上行くなとは言えない。どうするかと思った時のことだった。
❄️「レン」
🌹「なに?」
❄️「帰ってきたら……な……」
プイッと横を向きながら小さな声で告げられたのはレンにとって最高の言葉。言った本人は恥ずかしさからすぐに玄関へ向かってしまった。